「コトの起こりは、日本ゴルフ協会が3年前に決定した『龍ヶ崎カントリー倶楽部』(茨城県龍ヶ崎市)での開催を5月1日に撤回。別のゴルフ場に切り替えたことからだが、その裏には、岩手県陸前高田市の奇跡の一本松もビックリの“松の伐採バトル”があったと評判なのです」(事情通)
この人物によれば、協会側は10番ホール左斜面のラフに植えられた、一本の松の伐採か移植を提案。これが倶楽部側に拒否されたことから開催地を変更したが、そこには思わぬ“地雷”が埋まっていたのだ。
別のゴルファーが言う。
「実は龍ヶ崎カントリーは、ゴルフ場設計の第一人者である故・井上誠一氏が設計した名門コース。そのため、倶楽部会員の中には『松の木を動かすなど言語道断!』との声も多かったのです。しかも『日本女子オープン』は、'96年にも同地で開催されており、この時にはこんなイチャモンは一切なかった。これが原因で協会の傲慢さを口にする者もいるほどなのです」
もっとも、こうした声に対して協会側には譲れない言い分もあるようだ。協会の広報担当者がこう語る。
「10番ホールは高低差が激しい難ホール。左右のラフだけでなく、フェアウェイ中央にもうっそうと葉を茂らせた松が植わっているのです。'96年の開催時には木はまだ小さく、さまざまな攻め方も考えられたが、今では大きくなりすぎてティーショットの際に逃げ場がない。フェアなゲームをセッティングすることが我々の役目であることから、移植か伐採を申し入れたが、それが受け入れられなかったということなのです」
ゴルフ場設計の名匠も、木の年輪までは考え及ばなかったということか。