内村は、コンビで出演するレギュラー番組は消滅してしまったものの、単独では週に5本以上の番組を抱える売れっ子である。昔から彼は、勝俣州和や東野幸治ら、相方の南原清隆以外の芸人とタッグを組み、パートナーを引き立てていた。
実力はあったものの、いまいち伸び悩んでいた海砂利水魚(現・くりぃむしちゅー)とバカルディ(現・さまぁ〜ず)には『新・ウンナンの気分は上々。』(TBS系)で改名を懸けた対決を企画し、ブレークのきっかけを与えた。
また、東京から出てきたばかりでくすぶっていた千鳥は、内村がMCの『笑神様は突然に…』(日本テレビ系)に出演したことで、彼らが大阪で最も輝いていた「ロケ芸人」のイメージが東京でも浸透。今やテレビで見ない日はない。
出川も『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)に出演し続けた結果、彼の人間性や面白さが再評価されるようになった。
「共演した芸人はこぞって“内村さんはいい人”と言い、委縮することなく伸び伸び出演している。内村の前では本来の実力が出せるのでしょう」(お笑いライター)
若手芸人がネタを披露する、現在放送中の『にちようチャップリン』(テレビ東京系)でもMCを務め、後進の育成に励んでいる。また、残念ながら先日幕を閉じてしまったが、内村光良とさまぁ〜ずが出演する『内村さまぁ〜ず』(Amazonプライムで配信中)発の『新人内さまライブ チャンピオン大会』では、若手芸人のネタバトルの司会も務めていた。
「その大会の打ち上げで内村は、話を聞きに来た若手芸人にていねいにアドバイスを送ったそうです。ただ、唯一厳しく接していたのが内村が所属するマセキ芸能社の後輩。実力もあって結果も残しているマセキの若手ですら“内村さんがなかなか笑ってくれない”と嘆いていましたから」(同上)
どこか優しいイメージのある内村だが、直属の後輩ともなると「成長してほしい」という思いから、厳しくなってしまうのだろうか。何にせよ、彼の大きな器が芸人を成長させていることは間違いない。