日枝会長の隣に座っていた豊田皓副会長が、
「ライブドア事件、リーマンショックも日枝会長の経営判断もあり、乗り越えてきた。引き続き会長として頑張っていただきたい」
と “ヨイショ”を披露。ある株主から「飲み屋でやれ」と揶揄される一幕もあった。
「去年はフジの社員かOBらしき人物の“質疑打ち切り動議”で逃げ切りましたが、今年はそうはいかなかった。3時間35分にわたり荒れに荒れ、質疑応答では、やはり苦戦する視聴率に対する内容が多かった」(経済ジャーナリスト)
これに対しフジテレビの亀山千広社長は「忸怩たる思い」とした上で、「まずはドラマで話題を呼び、バラエティーで視聴習慣を根付かせ、最後は報道番組で信頼を得る。そのためには何としてでもヒットドラマを生まなくてはならない」と強調。
「しかし、その舌の根も乾かぬうちに、総会前に2夜連続で放送されたスペシャルドラマ『モンタージュ 三億円事件奇譚』の視聴率が明らかになり、前編が8.3%、後編が7.7%と、両日10%を切る惨憺たる数字。これでは亀山社長の発言もまったく説得力がない」(夕刊紙記者)
6月25、26日に放送された同ドラマは、今最も旬の福士蒼汰を主演に、唐沢寿明、西田敏行、香川照之、夏木マリ、遠藤憲一といった錚々たるメンバーが脇を固める大作だった。
「これだけ豪華なメンバーを揃えれば15%はいくだろうと期待されていたんです。ところがフタを開けてみれば、強力な裏番組もないのにこの数字ですからね。もう救いようがありません」(制作会社プロデューサー)
総会で亀山社長は「7月にスタートするドラマは30代のプロデューサーを中心に制作している」と意気込みを語っているが、7月のドラマのメーンキャストを見ると、かつてのトレンディー女優の鈴木保奈美に、すでにトウが立っている松嶋菜々子といった、まさに“昔の名前で出ています”の顔ぶれ。
「以前から“時代感覚のズレを正したい”としている亀山社長ですが、ネットなどでは“鈴木保奈美って誰?”の声も上がる始末で、発言と行動がまるで一致しない。総会で日枝久会長と亀山社長の解任動議は出なかったものの、2人が辞めない限りフジが泥船から脱出するのは至難の業です」(民放関係者)
視聴率低迷は日枝体制の制度疲労か?