上記のような特別なケースを除いては、基本的には名前はずっと変わりません。ですが、キャバ嬢の場合は、本名とは別の名前を持つことが出来ます。それが「源氏名」です。源氏名とは、水商売や風俗店で働く人が、仕事上で使う名前のことです。時をさかのぼること平安時代から、遊女たちには、本名とは異なる雅な名前を名乗る慣習があったのだそう。
平安時代の遊女はさておき、現代のキャバ嬢たちの源氏名は実に様々。中には、本名をそのまま使う人もいます。「会話の中で、うっかり本名が出てしまうくらいなら、最初から本名を名乗っておいたほうがいい」とのこと。本名とまるっきり同じでなくても、漢字を平仮名にしたり、一文字省いたり、本名に近い名前を名乗るキャバ嬢も多いようですね。「愛子」さんが「あい」と名乗ったり、「亜由美」さんが「亜美」と名乗ったり…といったところでしょうか。
逆に、本名とは全く異なる源氏名を名乗るキャバ嬢も存在します。「本名が昭和初期っぽくてコンプレックスがあった」というキャバ嬢さんが名乗ったのは、「エミリ」という源氏名でした。なるほど、現代的な印象を受けますね。
今回ご紹介するキャバ嬢さんは、本名云々ではなく、彼氏の名前が由来とのことでした。彼女の源氏名は「マナ」、彼氏の名前は「マナブ」なのだそうです。そういえば、「涼」「ひかる」など、中性的な源氏名のキャバ嬢も多いですが、もしかしたら彼氏の名前だったりするかもしれませんね。
さて、話をマナに戻しましょう。彼氏の名前を源氏名の元にしているマナですが、キャバクラ勤めはマナブには内緒なのだそう。「内緒にするくらいなら、どうしてキャバクラで働くの?」という質問に対しては、「借金を返済したら、すぐ辞めるつもりだから」とのこと。借金と聞くと、お金にだらしないイメージを持たれるかもしれませんが、マナの場合は、知人に勧誘されたウン十万円の美顔器のローンが、昼間のバイトだけではどうにもこうにも返せなくなったのが原因でした。マナが1日も早く借金を返し終えることと、その日までマナブにはバレませんように、ということを願ってやみません。(菊池 美佳子)