「乱発は止めたということ。これまで栗山監督が大盤振る舞いをしていたのを適正にするためだそうです。現金での報奨をしばらく止め、いまは監督は直筆の手紙を贈るなどしています」(チーム関係者)
監督賞とは、指揮官が試合で活躍した選手に渡す臨時ボーナスのようなものである。金額は12球団それぞれで多様だが、猛打賞のバッター、好投したピッチャーに対してだけではなく、犠打なども支払われることがあり、文字通り監督が対象選手を選ぶものだ。
「監督賞の金額? 確かめたことはないが、10万円単位だと思う」(スポーツ紙記者)
億単位の年俸をもらっている選手でも、臨時報酬は嬉しいものだという。これが選手の励みになり、チームの活気にも繋がっていく。
「そのままポケットに入れる選手は少ないはず。仲間同士で食事に出掛ける、あるいは、普段お世話になっている裏方さんにご馳走したりするのが一般的」(同)
監督賞の有無がチーム全体の活気に直結することは、栗山監督も承知している。それを渋り始めた理由だが、同監督は一部メディアに「ここぞというときに出したほうが、効果がある」と話していた。本当にそうだろうか…。
球界関係者が「一般論として」と前置きしたうえで、こう言う。
「監督賞の資金源はポケットマネーだけではありません。オフの個人後援会で集まったご祝儀を使うんです」
監督賞の金額も一律ではない。20万円、30万円と大きな金額で渡されるときもあれば、貢献度によっては5万円くらいのときもある。金額の多寡が問題ではないという建前はあるだろうが、現金の代わりが直筆の手紙では、監督賞の価値が伝わらないケースもあるだろう。
「心配なのは大谷ですよ。二刀流の大谷は調整が他選手と異なるため、単独で遠征移動することも少なくありません。そういうとき、裏方さんがいろいろとサポートしている。だから、大谷も同年代の仲間だけではなく、裏方さんも頻繁に食事へ誘っています」(前出記者)
栗山監督は選手全員の前で監督賞を渡すなどして、チームを盛り上げる演出もしていたという。そういう機会がなくなれば、チームの士気はもちろん、別行動の多い大谷は孤立してしまうかもしれない。
「長嶋茂雄、王貞治両氏が監督だった時代は、後援会をやればたくさんのお金が入ってきました。しかし、原辰徳監督もONの集金率には敵いませんし、巨人の監督ですらそうなのだから、他監督はもっと苦しいのではないか。最近では、監督賞の名目で球団がそれを用意するパターンも出てきたらしいが」(ベテラン記者)
パ・リーグは、ソフトバンクホークスが圧倒的な戦力で貯金22を稼ぎ出し、優勝へ抜け出しつつある。それを日ハムが3.5ゲーム差(7月13日現在)でなんとか追撃している状態だ。先のチーム関係者は金欠ではないと否定していたが、監督賞の金額の目減りによって、日ハムがソフトバンクに引き離される。そんな展開が待っているかもしれない。