「内海(哲也=33)が復調して帰って来たら厄介です。近年は変化球に頼りすぎた配球で失敗していますが、真っ直ぐのキレが戻ればすぐにでも復活します」(在阪球団スタッフ)
その左前腕部炎症で出遅れていた内海は、今季の58試合目、6月5日の対福岡ソフトバンク戦で初先発した。しかし、4回途中5失点でノックアウト。だが、こんな指摘があった。
「この日の内海の投球を結果だけ見れば最悪ですが、初回の投球内容はよかった。復活の可能性はありましたし、内海がセットアッパーに配置換えされるようなことになれば…」(プロ野球解説者)
内海の配置換えは十分に考えられる。この日の内海の先発登板は、これまで5勝を挙げているポレダがクイックモーションの再調整のためにローテーションを飛ばしたために回ってきた。ポレダがローテーションに戻り、さらに新外国人マイコラス、新人の高木勇、2年目左腕の田口ら、これまでに勝ち星を挙げている投手の健闘を考えると、内海の先発復帰は考えにくい。そして、内海は翌6日に再び二軍降格した。
「内海は先発へのこだわりがまだあるのかもしれない。しかし、『4年総額16億円』の大型契約が来季まで残っており、このままでは契約満了と同時に解雇、よくても大幅減は避けられません。先発投手として復帰できなければ、生き残る新たな道を模索した方がいい」(前出・プロ野球解説者)
内海が二軍で救援投手として再調整し、春先からブルペンと支えてきた投手たちに疲れが見え始める夏場に、内海がブルペンを支えるようになれば、巨人の追い風になりそうだ。
そして、打撃に関してはホアン・フランシスコ(27)と村田修一(34)がカギを握りそうだ。
「フランシスコは二軍戦で計5本のホームランを放ちましたが、ベンチ裏の素振り室に入るとそのまま座っているだけ。セペダにしても、ほとんど同じです」(球界関係者)
こんな調子だけに、「フランシスコとセペダはこのまま消える」と見るスコアラーも少なくない。だが、二軍戦とはいえ、フランシスコに一発が出たのは日本人投手の配球に適応しつつあるからだろう。ペナントレース佳境に代打で起用された場合、これまでと同じ配球では一撃を食らう危険性がある。二軍で日本流の配球に慣れてきたら、一軍でも大きな当たりを連発する可能性だってあるのだ。
そう考えると、目下、戦線から離脱している内海たちは、シーズン終盤へ向けた秘密兵器と言えるだろう。そして、そういう切り札のカードを多数抱えている巨人は、他のセ・リーグ5球団に対して、心理状態を揺さぶることができる。
シーズン後半に秘密兵器たちは起爆剤になれるだろうか。