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セ・リーグをかき回した中畑DeNA 続投か? それとも新監督か?

 去る9月5日、セ、パ両リーグの8月の月間MVPが発表された。セ・リーグの投手部門は通算4度目の受賞となった三浦大輔投手(40)。40歳での受賞にも驚きだが、月間成績の3勝0敗、30イニングを投げ、1試合の完投、防御率1.20には年齢を感じさせない頼もしさがある。
 「これで、今季のDeNAの『月間MVP受賞者』は、5月の井納、6月の山口に続き、3人目。大洋時代にもなかった球団初の快挙です」(スポーツ紙記者)

 三上朋也(25)というクローザーが確立され、先発投手陣は「責任イニングを投げきれば」と、精神面で余裕が持てるようになった。中畑清監督(60)はクローザーに外国人のソーサを予定してシーズンに入ったが、不振で誤算。その後は一時、山口俊(27)に任せたが、不安定と見ると6月先発投手へコンバート。新人の三上を抜擢した。その三上に疲れが見えてきて内容が悪くなったら、即座に速球派の国吉佑樹(22)を臨時クローザーに配置転換。三上に休む機会を与えた。
 「中畑監督の昨季までの采配は我慢というか、窮地でもあえて交代させませんでした。でも、今年は早めに仕掛け、現有戦力をフル稼働させて勝利をもぎ取っています」(前出記者)

 投手陣からすれば、「窮地で失敗しても使い続けてくれた中畑監督のために」という思いもあるだろう。選手を奮起させた手腕はもっと評価されるべきなのだが、来季の続投はまだ正式発表されていない(9月16日時点)。
 「チームはクライマックスシリーズ進出(以下=CS)を懸けて戦っているので、経営陣が配慮してコメントを控えている部分もあると思います。観客動員数は前年比で10%増。中畑監督の露出度やメディアサービスによるところも大きく、実際にチームも強くなったわけですから、これだけでも続投が決定してもおかしくはありません。正式発表が遅れているのは、中畑監督のメンツの問題でしょう」(プロ野球解説者)

 中畑監督は昨季、成績不振から退団を示唆。経営陣が慰留し、今季に至っている。昨季5位、今季4位では、「成績不振の責任を取って」と言った昨年の侠気が廃る。CS進出が確実となれば、中畑監督も続投要請を受けやすくなる。経営陣が公式発表を躊躇う理由はここにある。しかし、同時に後任候補のリストアップも行われているようだ。
 「経営陣がポスト中畑を物色している感も見受けられます。ゴールデンウィークには、球団OBの佐々木主浩氏の野球殿堂入りを祝うセレモニーが行われ、池田純球団社長は最敬礼で迎えていました。一方で、古田敦也氏が監督候補だと伝えられた一因は、春田真オーナーとの個人的な親交によるもの」(球界関係者)

 前出のプロ野球解説者によれば、次期監督候補と称される古田氏への反発心もチームを奮起された遠因になっているという。
 「ベイスターズは古田氏が学んだID野球に抵抗感も持っています。旧ベイスターズの最後の監督となった尾花高夫氏はデータ野球を導入し、実際に失敗しています」(同)

 近代野球ではデータ解析と分析が欠かさないが、最終的に選手を動かすのは“情”だ。失敗しても出場機会を与え続けた中畑監督が、現場から支持される理由はここにもありそうである。

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