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遺伝性がん対策の可能性

 がん早期発見の助けとなるのか。先ごろ、日本膵臓学会が、遺伝が大きく関係する家族性膵臓がんの予防に役立てるため、膵臓がん患者の家族を登録する制度を始めた。
 登録の対象となるのは患者の家族で、既往歴や喫煙の有無、体格などの情報を収集し、健康状態を追跡調査する。京都大をはじめ、東北大や九州大、国立がん研究センターなど、国内約10施設が年内に開始する。
 「人間は、体の細胞ががんになるのを抑制する働きを持つ、がん抑制遺伝子を持っています。この遺伝子には、一個一個の細胞に父親由来のものと母親由来のものが2個ずつ入っている。例えれば、自転車のブレーキが前輪と後輪に2個あるようなもので、ある細胞で、たまたま二つあるブレーキの片方が壊れても、もうひとつのブレーキがきちんと機能していれば、その細胞はがんになりません。しかし、残りのブレーキも壊れてしまうと、細胞はがん化に向けて暴走してしまうのです」
 これを、予め血縁者を調査し、未然に防ぐというわけだ。

 女優のアンジェリーナ・ジョリー(38)が乳がん予防のために乳房を切除し、日本でも一気に関心が高まっている遺伝性がん予防。既に乳房切除手術を実施している聖路加国際病院でも、「遺伝性乳がんが、日本にも一定の割合で存在することが'06年ごろに臨床試験で明らかになり、対応する必要が出てきた」としているものの、ほとんどの病院で実施されていないのが現状。しかし世田谷井上病院・井上毅一理事長は言う。
 「どんながんでも、CT、超音波などの診断は半年に一度くらいは受けた方がいいと思います。リスクを自覚し、定期的に精密検査を受ければ早期発見につながるのです」

 がんへの概念が変わるのは近い将来なのか。

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