昨年、この作品に関わるスチール・カメラマンと結婚した坂井は、艶やかな黒髪を束ね、花の刺繍のたくさん入った可愛らしいワンピース姿で登場。デビュー当時と変わらぬスレンダーさは健在ながら、人妻の色気を漂わせていた。
このタイプの役が大好きという、風来坊のモテ男・トニーを演じた藤竜也と、ひまわりの様な笑顔を絶やさないカワイイ年下クン康介を演じた西島隆弘(AAA)。魅力的な男性たちに囲まれて、旧家でひっそりと暮らしている独身女性のルイを演じた坂井。体にじんわり染み渡る美味しいスープのようなこの映画の撮影で、なぜか坂井はとても孤独だったという。作品ではその「心地よい寂しさ」を絶妙な演技で表現。コミカルからシリアスまで何でもこなす坂井の代表作になりうる出来栄えだ。
作家畑の阿川佐和子が感心したという撮影用のセットや猫君の演技(?)など、映画職人たちの仕事も粋な『スープ・オペラ』は10月公開。