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LiLiCoオススメ「肉食シネマ」 ★成功とは…栄光? それとも地獄?「マックイーン:モードの反逆児」

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提供:週刊実話

 お仕事お疲れ様です!

 これから新生活が始まる方もいることでしょう。パワーが欲しい、カッコいいものを見て明日への活力が欲しいと思っているあなた! 今回は世界的デザイナー、アレキサンダー・マックイーンのドキュメンタリー作品をご紹介したいと思います。自ら命を絶った1人の男。彼は何を見て、何を思って生きていたのか――。

 私はファッションが大好きです。マックイーンのようなハイブランドは買えないけど、ファッションショーを見たり、雑誌で最新の傾向は必ずチェックしています。もちろん、どんな人がデザインしたのか、何を考えて作ったのかも気になります。着るものにこだわってる人って、やっぱりカッコいいですよね。

 アレキサンダー・マックイーンは、さまざまなテイストの服をデザインしています。ビッチ感に溢れていても、どこかフェミニン。刺激的だけど、心の中のマックイーンは、いったいどんな人なのか?

 私はよく、“成功は最高の復讐”とか、“売れるか売れないか、芸能界はそれだけ”と思ってきました。活字にすると、かなり強い言葉ですよね(笑)。でも、過去に意地悪した人が、私が楽しく仕事してるのを見たら、悔しい気持ちになり、それにヨシッと思うのは当然のことです。ところが、マックイーンにとってこの“成功”というのは、地獄への入り口だったんです。

 デザインだけに集中していた頃はよかったのかもしれないけど、服だけではなく、彼自身が注目を浴びるようになって人生が大きく変わってしまった。歩いているだけでサインを求められるようになって、有名になった怖さを知り、その瞬間から“ファッションを越えた”と理解する。つまり、“自分が望んでない人間”になっていったことに気付くのです。

 それを聞いて、私の心の中が痛くなりました。一生懸命仕事をして成功し、そのプレッシャーに耐えられなくて、しかも最愛の人も亡くし、自ら命を絶つ。なんて悲しいことなのでしょう。でも、彼の死がムダにならないよう、ここから学びましょう。感じ取りましょう。新社会人を迎える人や、ある程度の地位にたどり着いた人もそう。ほどよく、心と気持ちを落ち着かせてやらないと、プレッシャーに負けます。

 怒りっぽくひねくれた感じに見える彼も、本当は家族を愛し、仲間を愛する優しい人だった。この映画を見て、これまで以上に、心にゆとりを持って仕事をしていきたいと思いました。

画像提供元:(c)Salon Galahad Ltd 2018
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■マックイーン:モードの反逆児
監督/イアン・ボノート 出演/アレキサンダー・マックイーン、イザベラ・ブロウ、トム・フォードほか 配給/キノフィルムズ 4月5日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷、TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開。
■ロンドンの労働者階級の生まれで、日々の食費にも困っていたアレキサンダー・マックイーンは、23歳で失業保険を資金にファッションデザイナーとしてデビュー。1996年、弱冠27歳で、ジバンシィのデザイナーに大抜擢。その一方で、自身のブランドのショーはますます過激になり、〈モードの反逆児〉と名付けられ、34歳で大英帝国勲章を授与されるまで上りつめる。しかし、富と名声の絶頂期にいた40歳で、突然、自ら命を絶ってしまう。
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LiLiCo:映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS「大様のブランチ」「水曜プレミア」、CX「ノンストップ」などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。

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