開祖は愛知県江南市木賀町在住の故前田秀信氏で、体が弱かったこともあり、御嶽薬師尊を信仰し、名古屋市で針灸医を開業、評判がよく多くの人が詰め掛けたという。四十三歳の時、夢のお告げを受け、多くの人々を病気の苦難から助けようと建立を決意した。そこで、後世の人々に立派なものを残したいと願い、御嶽薬師尊を勧請し、私財を投げうって教会を開くことにした。
時は昭和24年で終戦の直後、生活は困窮を極め、生きることがやっとの時代だったが、その年に地鎮祭を行い、完成まで実に5年の歳月を費やして、全てが手作業で整地やコンクリート練りが行われ、昭和29年3月24日に開眼した。毎年3月24日を記念し春季大祭日として賑わっている。
大仏の後ろには「大佛治療院」という治療院が併設され、大仏と建物は完全に一体となっている。有難いことに大仏さまの体内で針治療ができるわけだ。治療院の1階は畳敷きの広間で、前田氏の当時の写真などが掛けてある。その広間に直結して洞穴のような須弥壇があり、本尊の薬師さまが奉られている。さらに奥にもう一つ洞穴状の部屋があり、そこには上人様などが奉ってある。
大佛治療院周辺には公園があり、桜の木が植えられており、花見シーズンになると見物人が訪れる。また、珍スポットとして、地元のテレビ番組でも取り上げられている。
(写真:「布袋大仏」愛知県江南市木賀町大門132番地)
(「三州の河の住人」皆月 斜 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou