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いまだ足踏みのTPP参加

 消費増税法案を衆議院で通過させた野田政権だが、いまだに立ち往生しているのが環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を巡る問題。11月の大統領選を控え、米オバマ政権は強力な指導力をアピールするためにも、日本から早急に参加表明を取り付けたいのが本音だが、与党民主党内の調整は難航したままだ。
 「同じ時期に事前協議に入ったメキシコ、カナダはすでに交渉参加入りが認められている。日本が参加表明しない限り、加盟国も議論に踏み切れず、下手すると日本だけが取り残されかねません。だから野田政権は必死でアクセルを踏もうとするのですが、ブレーキばかりでサッパリ前へ進まないのです」(外務省関係者)

 米国が事前協議を通じて日本に市場開放を強く迫っているのは、特に自動車、牛肉、保険の3分野である。もっとも日本は自動車に関税を掛けていない。にもかかわらず、なぜ自動車の開放を迫るのか。
 「米国車は大型車が多い。日本の自動車税制は軽自動車や小型車を優遇しているため、これを差別と捉えて反発しているのです。一方、米国の自動車業界としては実は日本がTPPに参加することに反対の空気が強い。性能で上回る日本車に米国市場を席巻されるのではないか、と警戒しているのです。オバマ大統領は、選挙のことを考えれば、それをストレートには言えない。だから差別的な税制度の改善を持ち出して、国内のナショナリズムに訴えているのです」(経済記者)

 大統領選のある11月までに日本がTPPへの参加を表明しなければ、野田政権はオバマ大統領から『利用価値なし』として見捨てられる可能性が高い。とはいえ、それまで野田政権が持つかどうか…。消費税以上に国を二分する問題だけに、結論は出そうもない。

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