栃ノ心は、ヨーロッパの東側にあり、気候温暖でワインが有名なジョージアの出身。小さい頃から柔道で鳴らし、18歳の時に裸一貫で来日して名門の春日野部屋に入門した。
以来、13年。右ひざに大けがを負い、幕内から西幕下55枚目まで急降下するなど、様々な試練を乗り越えながらも昨年、ついに大関に昇進した。その間、去年の初場所の平幕優勝をはじめ、三賞を11回(殊勲賞2回、敢闘賞6回、技能賞3回)受賞し、金星も2個獲得している。
その栃ノ心がこのほど、故郷のジョージア・ムツケタ市の実家近くに、日本では想像もつかない超豪邸を建設中であることを、本人が明かしたのだ。
「敷地は2000平方メートル、600坪以上で、建設中の建物は2棟あり、その1つは住居スペースで、入り口には『栃ノ心』と漢字で書かれた表札が下がっている。そこにトレーニング施設、ジャグジー付きの風呂、サウナ、地下にはバーもある。もちろん、これまで獲得したトロフィーや賞状を展示するコーナーも。照明は蛍光灯を俵に見立てて円形にしたもので、こちらは一般開放する予定だよ」
もう1棟はレストランで、オオカミをイメージした暖炉を備え、滝も流れる内装になる予定。さらに、この2棟の間には大きなプールも設置され、そこに寝そべって酒を飲むのを楽しみにしていると本人は笑う。
このように、故郷に錦を飾る外国人力士は数多い。すでに引退した朝青龍は故郷のモンゴルで実業家になって大成功し、現有資産100億円と言われている。日馬富士も生徒数760人という学校を設立した。
「貨幣価値や物価の違い」と言えばそれまでだが、1億円前後の年寄株を確保できれば大成功と言われる日本人力士とはスケールが違う。まさに“大相撲ドリーム”。外国人力士の天下は、まだしばらく続きそうだ。