「神戸新聞杯は仕上げがチグハグになったし、天皇賞(秋)にしても本調子まではあともう一歩という感じだった。今回は具合がまったく違う」と昆調教師は言い切った。
一生に一度の舞台・菊花賞を捨て、秋の最大目標をジャパンCに置いたのも、ダービーを制した舞台こそ、最強馬にのし上がる一番の近道と考えたからだ。
「当初から目標を定めてきたから思い通りの調整ができた。回復が早く体の張りも文句ない。中間は運動量も増やしているしね」。後を考えなくていい、ここにすべてをぶつけるという思いは妥協なき仕上げにつながっている。
天皇賞・秋は3着。内枠で包まれるのを嫌い、いつもより早めに好位を取り、勝ちに行く競馬をした。
「あの状態で、あの競馬で、ウオッカとあそこまでやれた。今度は勝てると思っているし、何としてもレーティングを上げておきたいんだ」
来年は凱旋門賞で2着したエルコンドルパサーのように、海外に長期滞在するプランが進んでいる。その礎をここで築くつもりだ。