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厳罰化が影響か“制裁”に見る巧妙手口

 6月11日から東京地裁で、ある詐欺グループの仲間割れ事件の裁判員裁判が開かれている。被告人はリーダー格の国井一善(32)、そして運転手役だった金丸誉司丈(29)。
 「被害者の松江護さん(27=当時)は昨年11月、東京都港区の病院に全身打撲の状態で搬送されたが死亡。グループトップの国井たちが稼いだ金をチョロまかしていたことから、仲間の怒りを買ったといい、その額なんと約5700万円。『親が病気で』とウソをついていたようですが、実際のとこはバカラ賭博にハマり込んでいて、そりゃ仲間も怒るだろうといった話です」(社会部記者)

 しかし、怒りに任せてやりすぎたようだ。メンバーらは使い込みの発覚した松江さんを呼び出し、アイスピックで手を突き刺したり、メンバーの名が彫られた腹の刺青を消すため、熱した油をかけたあと、熱々のお玉を腹におしつけたり、鉄パイプで体を殴るなどの壮絶な暴行を加えていたのだ。

 とはいえ、このような若年の詐欺グループらの制裁方法は徐々に変化しているようだ。同様の事件を長年取材している傍聴ライターの高橋ユキ氏はこう語る。
 「かつてこのような揉め事が起これば、被害者にシャブを打ったり感情にまかせてボコボコに殴ったうえに放置したり、果ては殺害して山奥に埋める、なんてのが王道でした。しかし、このグループは顔を傷つけないように手足に暴力を加えているだけでなく、なんと最後は病院に行かせ『知らない奴に襲われた』と言わせているんです。今回、不運な事に被害者は亡くなってしまっていますが、それは本意ではなかったようです。厳罰化の影響で制裁も巧妙になっているように見えます(同)」

 '09年、暴力団員を含む男性グループがアルバイト男性(25)を拉致し、覚せい剤を注射した後、山中に放置して死亡させたという事件では、被害者1名にもかかわらず主犯格に懲役30年という重い刑が言い渡されている。そんな流れを受け、“制裁”も悪質化が進んでいるようだ。

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