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資格証明書偽造も起きた薬剤師不足

 世界最大の小売りチェーン、米ウォルマート傘下のスーパー『西友』は「節約を通して、より豊かな生活を提供する」ことを理念に掲げている。その西友で“節約”しすぎの不正が発覚した。一般用医薬品の販売資格である『登録販売者』の受験に必要な実務経験証明書が“偽造”されたのだ。

 登録販売者とは、2009年6月から始まった「薬剤師ではなくても一部の一般用医薬品を販売できる資格」のこと。受験のためには医薬品販売業務を1年間、毎月80時間以上行う必要があり、勤務先にはこれを証明する書類の提出が義務付けられている。西友はこの業務時間を“節約”したわけで、同社も会社ぐるみは否定したが、個人的に不正が行われたことは認めた。

 証明書を発行した従業員の8割に当たる282人が、受験要件を満たしていないにもかかわらず受験し、200人が合格したという。
 「今、小売店各社は医薬品の販売に力を入れており、販売者が足りないという事情があると思われます」(東京都福祉保険局)

 もうひとつ“空白の2年間”を原因とする薬剤師不足も指摘されている。薬学部が'06年の制度改革で従来の4年制から6年制に移行したことで、2年間、卒業者がゼロだったため、昨年から新卒者の争奪戦が激化しているのだ。

 さらにはとんだ副作用も。薬剤師の需要が増えると考えた大学は続々と薬学部を新設したが、地方大学で定員割れが起き、偏差値も大幅に下がった。このため薬剤師試験の合格率は80%以下に下がってしまったのである。ところが、
 「今春の合格率は何と95%に跳ね上がったのです。国家試験を甘くしたのでは? という疑惑が囁かれています」(医療ジャーナリスト)

 医薬品を販売する人々は水増しだらけなのか?

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