大阪市がこのほど発表した、大阪市内の主要歩道橋125カ所のネーミングライツ売却は「施設の親しみやすさにつながれば」という行政の期待とは裏腹に、一カ所を除いて応募が“ゼロ”という結果に終わったのだ。
「唯一成立したのが、JR大阪駅と、阪急、阪神の梅田駅を結ぶ『梅田新歩道橋』。落札したのはロート製薬(大阪市生野区)で、落札額はロートのシャレで年間“610”万円の3年契約。注目の歩道橋名は、あえて社名はつけず、同社のスローガンから『よろこビックリ梅田新歩道橋』の方向で調整が進んでいるそうです」(地元記者)
それにしても成立1件とは寂し過ぎる。というのも、ネーミングライツに関しては「新設で世間の注目度が高い施設ならともかく、既存のものなら普通の広告掲示で十分」(住吉の会社経営者)という冷静な見方が大半のようなのだ。
しかし、そんな苦戦に対し意外な結果で関係者を驚かせているのが、大阪市交通局が主催した地下鉄方向版のネットオークション。'70年代・万国博開催の頃に御堂筋線で使用された『中津』行きの方向板が、500円の予定価格に対し、落札価格がなんと11万2100円。
「正直、軽い気持ちでやったのだけにビックリです。熱心な鉄道マニアの存在は、話には聞いてましたが、ここまでの値段がつくとは思っても見ませんでした」
と、交通局関係者も戸惑いを隠せないが、市は本体名を売り飛ばすより、こうした手近なところからカネを稼ぐべきでは?