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広島カープが交流戦失速阻止へ マエケン米挑戦保留(1)

 『首位で交流戦突入』は、広島東洋カープ史上初。その首位戦線での戦いが、マエケンの米挑戦にも多大な影響をもたらしていた。
 「マエケンの投げる試合には必ずと言っていいほど、メジャースカウトが視察しています。彼らはキャンプ中から熱視線を送っていましたが…」(担当記者)

 前田健太、26歳。2010年には最多勝、最優秀防御率、奪三振の投手三冠王となり、沢村賞の栄誉も獲得。昨季も防御率、ベストナイン、ゴールデングラブ賞のタイトルに輝いた。田中将大と同じく、「優勝、日本一を置き土産に米挑戦」と思われていたが、米スカウトの評価は意外にも“慎重”だという。
 「昨季、田中を見ていたときとは明らかにスカウト陣の表情が違います。田中が闘争心むき出しのピッチングで窮地を凌ぐと、鼻息を荒くしながらうなずいていましたが、マエケンを見るときは無表情というか、リアクションが少ないんです」(同・記者)

 前田が“背信のピッチング”を見せたのは、5月23日の対オリックス戦。相手の先発はパ・リーグのナンバーワン投手、金子千尋。エース対決にふさわしいロースコアの投手戦となったが、前田のピッチングには微妙なほころびがあった。初回に犠牲フライで1点を献上、4回は中堅手の丸佳浩が打球にいったん追いつきながらも、ポロリ(記録は二塁打)…。「初回の失点も浅い犠牲フライ。走塁のうまい原拓也だから、本塁に生還できた」と前田に同情する声も聞かれたが、こんな指摘もあった。
 「初回の犠牲フライ、丸の記録に残らないエラー。この2失点ともに糸井嘉男にやられたものです。同じバッターに2回続けてピンチで打たれたので、前田のピッチングに工夫が感じられなかった」(ア・リーグ中部地区球団関係者)

 この試合は1対3で広島の負け。今季初の3連敗となってしまった(次の試合も負け、4連敗)。
 「この23日のオリックス戦は興味深い登板でした。通常のペナントレースの3連戦とは違い、交流戦は2連戦ずつ。メジャーの先発投手と同じ中5日での登板となります。交流戦のデータを調べ直してみたところ、前田はオリックスに昨季まで4回登板していますが、勝ち星ナシの3敗。防御率は4.44。相性の良くないチームのようです」(スポーツライター・飯山満氏)

 前出の広島担当記者がこう言う。
 「3点目は“バッター”の金子に打たれたもの。前田は『油断していたわけではない』と試合後に話していましたが、窮地でほころびの出たこの日のピッチングは、とても本来のものではありませんでした」
 同日、ツインズ、レンジャーズ、カブス、アスレチックスの米4球団がネット裏で偵察していた。日本の取材陣が「前田評のコメント」を求める姿も見られたが、米スカウト陣は足早に球場を立ち去った。

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