2月に米ロサンゼルスで行われた四大陸選手権に続き、ショートプログラムの出遅れをフリーで挽回するというシナリオ通りの展開。これで、今季の国際大会は無傷の6連勝となった。
3月20日からの世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)でも、初出場・初優勝への期待が高まってきたが、日本スケート連盟のお偉いさん方は、現在のトップ選手の世代について複雑な感情があるという。
「一部で、紀平たちのフィギュアスケートに対する心構えや、大会に臨む態度を疑問視する声が上がっているんです」(担当記者)
どういうことか。
「先の四大陸選手権でも、紀平や同世代の選手たちが仲良くお喋りをしている様子が見受けられました。特に、同じ兵庫県出身で幼い頃から大会で一緒になることも多かった坂本花織(18)とは大の仲良し。2人が試合会場でも、あまりに和気あいあいとしているので、緊張感がないと感じるのでしょう」(同)
連盟の上層部は、浅田真央と安藤美姫の関係性と比較して、危機感を抱いているようだ。事実、連盟関係者がこう嘆息する。
「浅田の時代とは大違い。浅田と安藤も、ジュニア時代には仲がよかったんですが、シニアに上がってからは、お互いに試合会場では必要以上の会話は交わさなかった。ライバル同士、“大人の距離感”で大会に臨んでいたんです。そういう部分で、紀平や坂本の世代を不安視する声があることは確かです」
要は、紀平たちの世代はキャピキャピしすぎているということか。
「浅田や安藤のように、かつての親友とも距離を置く厳しさ、試合に臨む姿勢などを見習うべきだと意見されているようです。ただ、紀平たちの世代も、しっかりとした成績を残していますからね。自国開催の世界選手権でワンツーでも決めて、黙らせてもらいたいものです」(前出・記者)
まだ多感な10代の少女だけに、周囲の雑音で調子を崩さないでほしい。トップ女子フィギュアスケート選手らに常に付きまとうのが“年齢の壁”だ。女性は少女から“女”になる段階には沢山のデリケートな変化がある。紀平たちの年代はここ2〜3年が特に大切だといわれている。