《現在38兆円が高齢者医療費に使われている。ちょっと風邪をひいたくらいで“お上のお金”で病院に行くのは控えるべき》
風邪ごときで国民医療費を使うな、と言っておきながら、自身は病院ではなく美容院で子供の散髪代の領収書までもらっていたのだから、何をか言わんや…。
また都知事は「世界一」というフレーズが好きなようで、選挙演説のときにこう絶叫していた。
《東京は世界都市ランキングで4位です。6年後のオリンピックを目指し、トップのロンドンを抜いて世界一になる。そして防災でも福祉でも世界一、芸術文化でも経済でも雇用でも世界一。あらゆる分野で世界一の街と都民の皆さんが言える東京を作りたい!》
今回の釈明会見で飛び出した「第三者」や「1日も早く」のフレーズ連発癖は、当時からの“宿痾”だったのだ。
その世界一の「雇用」の街・東京はというと…。都知事は《安心、希望、安定の社会保障》の一つとして「攻めの雇用政策」を行うと公約していた。具体的には「東京の経済成長による雇用の創出、ワークライフ・バランスの推進、職業能力開発の充実、女性の再就職支援、障害者就労支援、正規と非正規の雇用者格差是正」だ。
そしてもう一つの目玉が「国家戦略特区を設ける」というもの。ところが、格差是正は、国家戦略特区と完全に矛盾する。
「特区は『攻めの雇用政策』というより“解雇特区”です。経営者が金もうけできるのであって、被雇用者が金もうけできるわけではない。特区には『柔軟な働き方』を認めるという美名のもとに雇用条件のさまざまな撤廃が盛り込まれており、決して雇用の改善にはならないのです」(労働問題アナリスト)
今回「第三者調査」が稼働したことでマスコミから追い回されることはなくなり、守秘義務のある弁護士から調査経過が漏れることもない。舛添都知事はしばらくの間、膝を伸ばし、枕を高くして寝ることができる。
「追及の舞台は6月1日からの都議会に移っていますが、会期はたった2週間。6月後半からは世間は参院選一色になるので、自分の話題も消えると考えているのでは」(都議会関係者)
6月1日時点での在任で夏のボーナス満額375万円は確定。その次の目標は、何が何でも五輪の旗をリオデジャネイロまで受け取りに行くこと。
金と名誉のためなら憚らず−−。舛添都知事、まさに絵に描いたようなそんなお顔をしていらっしゃる。