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パチンコマネーにのみ込まれる ゴルフの名門「太平洋クラブ」

 11月8日から4日間、静岡県にある太平洋クラブ御殿場コースで開催される三井住友VISA太平洋マスターズ。ゴルフ好きなら誰もが知るこのトーナメントの裏で、大きな騒動が繰り広げられている。

 主催の一社である株式会社太平洋クラブが民事再生法の適用を申請したのは今年1月のこと。民間信用調査会社帝国データバンクによると、負債総額は約1260億円にも上る。今思えば、現在の西武ライオンズ(当時は太平洋クラブライオンズ)のオーナー企業だったころが絶頂期。バブル崩壊以降の法人客の減少、客単価の下落により、他の破綻したゴルフコースと同様、太平洋クラブの経営は厳しくなっていった。

 ありがちなこの倒産劇は、最初からドロ沼の様相を呈した。まずスポンサーとして名乗り出た東証1部上場の株式会社アコーディア・ゴルフが、パチンコメーカー大手の『平和』からターゲットにされていることから、不信感をあらわにした会員たちが発起。会社側の提出した再生計画案に反対し、会員側から会社更生法の適用を申請することになった。この間、会員側には『太平洋クラブ会員の権利を守る会』『太平洋クラブ被害者の会』が相次いで設立されるなど“名門コースのプライド”を全面に押し出した展開が繰り広げられた。

 さぞ、格式の高いスポンサーを見つけてくるものと思われた会員側だが、何とここにきて新しいスポンサー候補が『株式会社マルハン』であることが発覚。マルハンは年商2兆円を誇るパチンコホール業界最大手。パチンコマネーの象徴ともいえる企業を連れてきたのだ。

 ちなみに国内で上場できる(信用されている)のはメーカーであり、グレー企業とされているのはホールである。会社側も新しいスポンサー候補を擁立すべく動いているため、正式決定はまだ先だが、国内ゴルフ場が次々とパチンコマネーに呑み込まれていく流れは、もう止まりそうにない。

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