県警による理由説明は、「自動車に乗っても同様のことをする可能性があるため」というもの。道路交通法上、自転車は《車両》にあたり、この処分に法的な問題はない。
「都心では、自転車通勤をするビジネスマンが増えています。休日に自転車で遠出する人も多い。同時に自転車と歩行者の事故も急増しています。自転車事故には、(1)加害者になってしまったらどうすればいいか、(2)刑事責任はどのようになるかという、知っておかなければならない要点があります」(都市生活に詳しいジャーナリスト)
事故が起きたら、奈良の男性のように逃げないこと。まず相手の状態を確認し、救急車を呼ぶ。裁判になった場合も考えて、事故現場の状況を写真に残したり、事故状況をメモすることも重要だという。
「もしも過失傷害罪が成立した場合、『30万円以下の罰金又は科料』。被害者が死亡した場合は、過失致死罪となって親告罪ではなくなり、刑罰も「50万円以下の罰金となります」(同)
“ほんの少しの注意”さえ怠って事故を起こした場合は、重過失致死傷罪で、「5年以下の懲役もしくは禁錮又は50万円以下の罰金」となり、罪はもっと重くなる。飲酒をして事故を起こしてしまった場合は、酒酔い運転として、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が加わる可能性が大だ。
学生はさらに要注意。罰金刑以上の刑事罰を受けると医師、看護師、栄養士、調理師などの免許が与えられないことがある。
もう一度、自転車が《車両》であることを肝に銘じるべし。