まずは天皇賞・秋制覇の可能性だが、有馬記念までを見据えた一流馬は天皇賞が秋の緒戦。しかし、緒戦だけに当然甘さは出てくる。昨年は天皇賞の前に1度使っているトーセンジョーダンが1着、ダークシャドウが2着。ここから始動したブエナビスタは5着、エイシンフラッシュは6着と一歩及ばず。しかし、有馬までを見据えるならこれは仕方のないローテ。昨年のトーセンジョーダンを例にすると、次走のジャパンカップは2着と健闘、しかし有馬記念では5着。実力がある馬でも天皇賞前に一度使い、年末までに4戦こなすのはやはり厳しいということだろう。ここから動く馬よりも、毎日王冠で結果を出したカレンブラックヒルが健闘できる可能性は十分にある。
そして、マイルチャンピオンシップ制覇の可能性。今回、毎日王冠に出走したエイシンアポロン、リアルインパクト、ストロングリターン、グランプリボスはマイルのGI馬。今年の安田記念の単勝オッズの人気の割れ方が象徴するように、群雄割拠のマイル戦線だが、今回マイルの実力馬たちを一掃したのだから、天皇賞後の調整が順調であればマイルチャンピオンシップ制覇の可能性は高いとみる。
少し気が早い話になってしまったが、まずは天皇賞・秋。カレンブラックヒルだけでなく、早い段階から天皇賞を意識していたと同世代のフェノーメノの参戦も濃厚。今年は3歳馬が天皇賞をさらに見応えあるレースにしてくれるはずだ。
〈プロフィール〉近藤雄亮:キャリア3年目の若手放送作家。売れっ子作家ではないため安定した生活をするには競馬の成績がカギ。今年度のおこづかい馬券の成績は現時点で回収率151%、プラス収支をキープ。Twitterのアカウントは「@minoru1202」。