CLOSE
トップ > 社会 > 東電との心中を決めた安倍首相

東電との心中を決めた安倍首相

 政府がいよいよ“ドロ船”東電と心中しそうな雲行きになってきた。
 6月の株主総会での任期切れを機に、集団辞任を示唆して政府を牽制してきた東電の下河辺和彦会長をはじめ、社外取締役らと会談した安倍普三首相が「東電は民間企業として再生することが重要。国も一歩前に出て尽力していきたい」と宣言、全員の続投を取り付けたのである。

 問題は支援額が天文学的な数字に跳ね上がることだ。大手シンクタンクの試算によると、賠償や除染だけでざっと10兆円、廃炉費用を含めると支援額は20兆円の大台に迫る。言うまでもなく、これは血税だ。
 悩ましいのはそれだけではない。東電は『総合特別事業計画』を掲げ、来年3月期の黒字化を大目標にしているが、実際は絵に描いた餅。黒字化は今年4月からの柏崎刈羽原発の再稼動が前提だったが、地元自治体の反発もあって、まだメドさえたっていない。

 これで来年3月期に再び赤字に塗れれば、4期連続となって銀行団の支援体制が根幹から揺らぐ。そんな事態を回避しようとすれば、電気料金の再値上げ、それも大幅値上げが現実味を増す。言い換えれば、安倍首相はそれを承知で“心中”を宣言したことになる。
 「本来なら東電は法的整理すべきだった。そうしなかった最大の理由は、100%減資すれば株券が紙屑になり、高額の配当が目当てで株主に名を連ねる70万人とも80万人ともいわれる高齢者の猛反発を買い、選挙でしっぺ返しを食うのが怖いためです」(市場関係者)

 どうりで安倍首相が「民間企業」ウンヌンなどと唱えたわけだが、それにしても史上空前の難破船と運命共同体を余儀なくされた我ら国民こそ、全くいい面の皮だ。

社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ