A:単なる目の疲れと眼精疲労は違います。医学用語としての眼精疲労は、目がかすれたり目の奥に痛みを感じたりする上に、肩こりや頭痛、不眠や吐き気、食欲不振などが起こり、睡眠をとっても症状が回復しない重篤な状態をいいます。
ご質問の方も眼精疲労でしょう。眼精疲労を解消するには、パソコンを使う時間を減らせばよいわけですが、仕事の場合はそうはいかないでしょう。そこで、うまく折り合っていくことが求められます。
まず、対策の一つに眼精疲労予防レンズがあります。これは特殊な加工がなされており、光のまぶしさを和らげ、優しい光だけを目に届けます。そのため、目の疲労も軽減するというのです。
このレンズを装着したメガネを私もパソコン操作時に使うようになってから、眼精疲労が起きなくなりました。このメガネはインターネットでも購入できます。度なしのものだけでなく、度付きのものもあります。
●目を温めたり、目の周りを押したりするのも有効
パソコンに付ける「液晶モニター保護フィルター」もあります。液晶モニターから受ける可視光線、ブルーライトが目を疲れさせるといわれています。
このフィルターはブルーライトを何十%かカットします。適度な明るさに調整され、至近距離で画面を見続けても目が受ける刺激は和らげられ、目が疲れないと言います。
自分で行う方法として、温かい蒸しタオルを目の上にあてるのも効果的です。蒸しタオルは、タオルを濡らしてからレンジで温めます。また、目の周りには目に関係するツボがあります。目の周囲を押したり揉んだりしましょう。
パソコンの操作時は、画面を注視するので、目を動かさないし、まばたきの回数も減ります。そこで、上下左右を見て最後に8の字を描き、それを目で追い、目を動かしましょう。
指を鼻の前に立て、その指を遠くに動かし、それを目で追いかけて寄り目にする方法も役立ちます。以上の方法を組み合わせて対策するとよいでしょう。なお、睡眠は十分とるようにしてください。睡眠は健康を維持増進する基本です。
首藤紳介氏(表参道首藤クリニック院長)
久留米大学病院小児科、大分こども病院、聖マリア病院、湯島清水坂クリニック等の勤務を経て、表参道首藤クリニック院長。自然療法や代替医療をはじめ、水素温熱免疫療法や再生医療(臍帯血幹細胞治療)などの高度先進医療を実践。