「闇市場で企業の顧客名簿から高齢者だけを抜き出したリストが多く出回っている。これを詐欺集団が買い漁っているとみられているのです」(警察関係者)
同関係者によると、こうした高齢者リストの価格は、現在1万件で10万円程度。徐々に値崩れを起こしてはいるものの、需要と供給は増え続けているという。
「高齢者を食い物にする詐欺集団や、ブラック企業が名簿を買い漁る一方で、新たなリストが徐々に出回り始めている。現在は顧客名簿をパソコンで管理する時代だが、小遣い代欲しさにバイトや従業員などが、盗み出しに加担するケースも絶えないのです」(同)
そのためか、最近では蔓延する「母さん助けて詐欺」をしのぐ新手の詐欺が大急増。被害に遭う高齢者が続出しているのだ。
警察関係者がこう話す。
「筆頭が、『送り付け商法』。この詐欺は今年に入り急増中で、年内には3万件に達する見込みだが、高齢者に2〜3万円もするカニや生鮮食料品、健康食品などを送りつけるのです。料金が代引きのため配達時に支払ってしまうお年寄りが多く、中には苦情を寄せると『裁判にする』と脅して泣き寝入りさせる業者もいるほどなのです」
また、その一方では高齢者の泣き所である年金詐欺もさらに拡大している。
「この手口は社保庁の職員を装った詐欺グループが、『年金を誤って払い過ぎた』『返金しないと、以後の年金支払いがストップする』と電話をかけ、指定口座に振り込ませるというもの。年金は高齢者の命綱だけに、被害に遭う方が絶えないのです」(同)
シニア世代はご用心あれ。