結局、◎に落ち着いたのは、“平成の盾男”の異名をとる天才、武豊が操るメイショウサムソン。
昨秋は初戦の天皇賞を完勝しながらも、ジャパンCは3着、有馬記念ではまさかの8着に惨敗と、尻すぼみの結末。そして、捲土重来を期した2008年の始動レース・大阪杯でも直線エンストをおこして腰砕けの6着に沈む体たらく。さすがに、燃え尽きた?の見方も出ておかしくないが、指揮官・高橋成師は「昨秋は天皇賞で馬ができすぎてしまって、最後の有馬まで体力がもたなかった感じだった。今年の大阪杯はドバイ遠征が馬インフルエンザ騒動の余波で流動的になり、締めたり緩めたりと、気持ちで走るこの馬にとっては影響が大きかった」と前3戦を分析。「今度は変わる」と反発する。
「毛ヅヤ、馬体の張り、どれをとっても、あくまでTR仕様だった大阪杯とは仕上がりが違う。長丁場はジョッキーの腕がモノをいうが、豊君なら何も心配いらないからね。それに、サムソン自身もキッチリ乗り手の指示に対応できる柔軟性を持っている馬だから」
その武豊騎手は「前走は二千のスペシャリストぞろいで、変な流れになった」と、大阪杯の敗因を不向きなペースに求めたが、今回は高らかに逃げ宣言するホクトスルタンに、アドマイヤメインが前。それをマークするアサクサキングス、アドマイヤジュピタと、隊列はすんなり。ならば、平成の盾男がスパートの機を誤るはずはない。
実力ナンバーワンは自他ともに認めるところ。01年、テイエムオペラオー以来、史上2頭目の3期連続、盾獲りの快挙は目前だ。