逮捕されたのは、宇治市のスポーツ指導員、K容疑者(58)。昨年12月4日夜から5日早朝にかけ、滋賀県栗東市にある体操クラブの教室の窓ガラスを割って侵入し、跳馬1台(40万円相当)と踏切台1台(10万円相当)を盗んだという。教室の近所の防犯カメラにK容疑者の車の映像が映っており、同署が捜査を進めていた。
「K容疑者は、近く鳥取県米子市で新たな体操クラブを開設する準備を進めていました。ところが、体操器具はどれも高額で、つい盗みやすいところから盗んだとみられています。ただし、跳馬だけでも重さは100キロ近くあり、警察は共犯者がいる可能性も含め捜査を続けています」(地元記者)
地元の体操関係者の間でも知られていると同時に、いわく付きの人物でもあったK容疑者。
「現役時代、京都洛南高校、日体大と体操の名門で競技を続けましたが、大学卒業後はコーチに転身。教え子を全日本選手権女子個人総合で優勝へ導くなど実績を残し、国体体操競技の京都府選手団の監督も経験、シドニー五輪では日本協会の強化部員にも指名されました。ところが、この頃指導していた女子選手と家族から『暴力を振るわれて全治2週間の怪我を負った』と告訴されていたのです。K容疑者は暴力については否認しましたが、日本協会に迷惑をかけたとして強化部員を辞任し、体操クラブの運営に専念していました」(スポーツ新聞記者)
現在は体操教室を数多く持ち、「有力選手を育てることが再び日本協会で発言力を持てるようになる近道と考え、体操クラブの開設を急いでいたようだ」(協会関係者)という。
盗っ人ではウルトラCは起こせなかった。