今年のドラフトの目玉の1人、斎藤佑樹が早大の100代目の主将になり、騒がれたが、オリックス・岡田監督も経験者だ。千葉の習志野高校出身の掛布雅之氏と違って、岡田監督が現役時代から阪神でエリートコースを歩んできたのも、早大主将というキャリアが生きている。「高校が地元の名門の北陽高校、大学も名門の早大でそれぞれ主将という経歴があるから、入団時から阪神電鉄本社の首脳陣が『岡田は将来の幹部候補生』と一目置いていた」と、阪神関係者の間では語り継がれている。六大学の中でも名門中の名門の早大出身のオリックス・岡田監督。
一方、ヤクルト・高田監督は御大の愛称で知られた故・島岡吉郎監督の根性野球が今でも受け継がれている名門・明大出身だ。
しかも、「あのスパルタ教育で知られる島岡さんから一度も鉄拳制裁を受けたことがない奇跡の人」という、伝説の人でもある。島岡イズムを継承している、あの鉄拳野球の星野仙一氏(元中日、阪神監督)も、先輩・高田監督には頭が上がらない。
明大と言えば、今年初めて早大を抜いて志願者数大学日本一になったことでも話題になっている。昨年まで11年間首位の座を守り続けていた早大関係者はショックを受けている。そんな経緯もあるだけに、オリックス・岡田監督vsヤクルト・高田監督の日本シリーズが実現すれば、母校の名誉をかけた戦いにもなり、大いに盛り上がるだろう。
しかも、六大学出身監督同士の対決となると久々だという経緯もある。なんと1983年、西武・広岡達朗監督(早大)が巨人・藤田元司監督(慶大)に勝った、早慶OBシリーズ以来、27年ぶりの快挙になるのだ。
明大OBvs早大OB監督の激突となると、1954年に中日・天知俊一監督が西鉄・三原脩監督を下し、球団史上初の日本一を手にして以来、56年ぶりということになる。母校愛で盛り上がるのは、高校野球だけではない。プロ野球のペナントレースも、こういった角度から楽しめる。