「新加入のマテオにばかり目が行っているが、高橋聡文、榎田、松田遼馬、高宮和也らの救援陣の調子もいい。ベテラン中継ぎの安藤優也、福原忍の負担を補うブルペン陣が構成されつつある」(ベテラン記者)
一方で、打撃陣は正二塁手争いがキーポイントになりそうだ。2月14日、上本博紀が紅白戦で4安打とバットでアピールした。ライバルの西岡剛は紅白戦初戦(11日)こそヒットを放ったが、その後はいいところがない。
「金本監督が『キャンプ前半戦のMVPは西岡だ』と話しています。サボリの天才だと言って。打撃不振で落ち込み掛けており、モチベーションを持続させるための配慮です。以後、西岡は鳥谷敬と居残り特守を続けている」(前出・同)
これが「明るく、厳しく」の前者のほうだろう。
「金本監督は同じく正二塁手争いを続ける大和にも期待しているようです。去年は二番打者の制約に縛られ、右方向への打撃を意識しすぎて不振でしたが、監督は『強く振れ』と徹底指導しています」(トラ番記者)
西岡はトラ1年目の2013年、二塁手でゴールデングラブ賞を獲った。選手会長の上本は二塁で昨季107試合に出場し、大和も22試合に出ている。三塁を守らせる予定で獲得した新加入のヘイグが「打てない」と分かれば、ハイレベルな二塁手争いを繰り広げる3人のうちの誰かを三塁に回すかもしれない。
「問題は藤浪かも。『開幕投手はやらなくていい』と発言しています。“開幕投手よりもチームの優勝”が持論のようですが、金本監督も営業サイドも藤浪で勢いづきたいはずなのに…」(前出・関係者)
藤浪を甘やかさないアニキだが、下柳剛・臨時投手コーチは「今は放っておいたほうがいい」と助言。また、矢野燿大作戦兼バッテリーコーチは正捕手争いにおいて、「岡崎(太一)がいい」と中間報告したという。3年目の梅野隆太郎、ドラフト2位・坂本誠志郎の争いをファンは期待するが、「横一線の競争」を公約した以上、岡崎を使わなければならない。これも、アニキ効果だろう。
金本監督は矢野、下柳両コーチの前で「開幕が心配」と吐露したそうだ。だがこれ、案外、手応えの裏返しかもしれない。