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死の登山になる世界遺産「富士山」の大噴火 〜不気味な3つの兆高〜(1)

 世界文化遺産となった富士山に、なんとも恐ろしいデータが発表された。「巨大地震の強い力で内部にひびが入ると、そこから爆発的な噴火を起こしかねない」とする研究結果を、7月16日、産業技術総合研究所などのチームがまとめ上げた。
 富士山の地下には、マグマが通った後に固まってできた硬い岩脈が多数走っている。「内部は溜まったマグマやガスが密閉された風船のような状態」で、地震による地殻変動で岩脈に隙間ができると、一気に噴出する可能性が高いというのだ。

 サイエンス記者が言う。
 「直近の噴火として知られるのは、関東地方にも大量の灰を降らせた1707年の宝永噴火。この時と1703年にM(マグニチュード)8級の地震が相次ぎ、その衝撃で隙間ができたことから、マグマが南東側の山腹から爆発的に噴出した。そのため、研究チームは現在の富士山が、この時の噴火と酷似した状況だと推定。警戒を呼び掛けているのです」

 つまり、約300年の間に溜まり続けたマグマが、巨大地震を契機として爆発しかねない状態にあるというわけだが、その兆候はすでに表れているのである。
 琉球大理学部名誉教授の木村政昭氏が言う。
 「実は、富士山周辺ではさまざまな兆しが見え始めているのです。一つは富士宮市で異常な涌き水と噴気孔が見つかり始めたこと。さらに林道が陥没したり、風穴の氷柱が溶解し始めているのです。この3つが顕著な兆候だが、河口湖の水位が下がったり、山中湖周辺で低周波地震が頻発しており、震源も上昇している。気象庁の見解はともかく、これらは噴火の前兆現象です。マグマだまりが巨大地震の衝撃で押されて上がってくるのは、間違いないと思います」

 産業技術総合研究所では南海トラフの巨大地震が引き金になると見ているが、木村氏は伊豆小笠原沖に地震の空白域があり、ここで発生する巨大地震がマグマだまりを押し上げ、噴火に至ると見ている。
 そのため、同氏は発生時期についてもこんな見解を示しているのだ。
 「私がネットに公開した噴火予測は、2013年プラスマイナス3年。巨大地震も富士山噴火も、いつ起こっても不思議ではない状況なのです」(木村氏)

 一方、不気味な兆候はこの他にも出始めている。
 世界文化遺産となってからというもの、富士山の異変に関する報道はその偉業達成を称賛し、パタリと止んでいた。ところが、その最中の7月17日深夜に山梨県東部の富士五湖を震源とするM3.9の地震が発生。これが、富士山噴火の前兆ではないかとの見方も急浮上しているのである。

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