「2017年の全英オープン以来ですよ。本人もショックだったと思いますが、屈辱的な一戦となってしまいました」(専門誌ライター)
錦織が4大大会でベスト16に残れなかったのは、2年前の全英オープン以来。相手は世界ランキング38位の格下となれば、同7位の錦織は「悔しい」の一言しか出ないだろう。
しかし、屈辱はそれだけではなかった。
「日本人選手に関する海外メディアの扱いは、大坂なおみがメインでした。彼女は昨年の同大会の覇者であり、当然といえば当然なのですが、1回戦、2回戦後の会見も集まった記者の人数が少なくて…」(同・ライター)
ここではスゴい質問も受けていたという。大会序盤、練習場で大坂とすれ違った。二言三言、あいさつ程度の会話があり、それを指して「何を話したのか?」「彼女の様子は?」と聞かれていた。大坂のスポークスマンにされたのだ。その怒りをプレーにぶつけてほしかったが、それもできなかった。
「3回戦でぶつかった相手は21歳。経験値でも錦織の方が上ですが、作戦面でものまれてしまいました。錦織が勝負を仕掛けると、相手が故意に遅いボールを打ち返してタイミングを変えるなど、錦織を翻弄させました。体調面での調整もしっかり準備し、今回の全米に期するものがあったはずなのですがね」(特派記者)
全米オープンの直前の試合でも錦織は勝っていない。しかし、見る者が見れば分かる調整をし、試験的にこれまでやっていない攻撃パターンもテストしていたという。だとすれば、29歳、プロテニスプレーヤーとして考えなければならない時期にきたのではないだろうか。
「錦織はコーチスタッフに全面的な信頼を寄せています。大坂のように目標に応じてコーチスタッフを変えるのも1つの手段ですが、コーチ刷新が嫌ならば、外部から助言を仰ぐことも考えた方がいい」(同・記者)
同じ日本人同士、大坂に助言を仰ぐ方法もある。いずれにせよ、「大坂のついで」扱いはしばらく続きそうだが…。