今年、新人俳優賞を受賞したのは有村架純、土屋太鳳、広瀬すず、藤野涼子、篠原篤、野田洋次郎、山崎賢人、山田涼介の8人。プレゼンターとして壇上にあがった岡田准一は8人を前に「素敵な方ばかりで眩しい」と第一声。「個人的に嬉しい登壇者もいる」と同じジャニーズ事務所の山田の健闘をたたえつつ、「これからこの方々が日本映画を支えていくんだろうなって。本当におめでとうございます」と祝福のメッセージ。
『映画 ビリギャル』で同賞を受賞した有村は同作で最優秀こそならなかったものの優秀主演女優賞も受賞。「今日という日を迎えることができて嬉しい。この映画は本当にたくさんの奇跡をくれた作品だと感じています。(演じた)さやかという女の子に出会えて本当に自分は幸せ者だと感じました」としみじみ。
土屋は「11年前、『どうか映画の世界に入れてください』と言って今の事務所に入れてもらい、3年前から真剣にこの場所を目指すようになりました。いざこの場所に立つと“映画の扉”がどこにあるのか、まだ、今のわたしにはわかりません」とコメント。途中、客席に向かって「どうかわたしを映画の世界に入れてください!」と改めて映画への情熱もアピールし、「やっとここにたどりつくことが出来ました。これから踏ん張っていきたいと思います」と決意を新たにした。
広瀬すずは『海街diary』で共演した綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆ら先輩と同じテーブルにつき、終始幸せそうな表情。「この舞台に立っていることがまだ不思議。監督やお姉ちゃんたちと同じ舞台に立てたことが幸せです」とにっこり。
エキストラから俳優キャリアをスタートさせ、晴れて主演の座をつかんで本賞を受賞した藤野は途中感激のあまり涙ぐみ、スピーチが一時中断したが、司会を務めた宮沢りえからは「がんばれー!」とエールをもらい、「この涙ですべてが伝わりますよね。こっちまでぐっときちゃいます」と声をかけられ嬉しそうな表情を見せた。
また、山田も二宮や岡田らジャニーズの先輩と同じステージに立ち、感無量の表情。「初主演でこのような栄誉ある賞をいただけて本当に光栄です」と喜びをかみしめていた。
第39回日本アカデミー賞の受賞結果は下記の通り
●最優秀作品賞 『海街diary』
●最優秀監督賞 是枝裕和『海街diary』
●最優秀主演男優賞 二宮和也『母と暮せば』
●最優秀主演女優賞 安藤サクラ『百円の恋』
●最優秀助演男優賞 本木雅弘『日本のいちばん長い日』
●最優秀助演女優賞 黒木華『母と暮せば』
●新人俳優賞 有村架純、土屋太鳳、広瀬すず、藤野涼子、篠原篤、野田洋次郎、山崎賢人、山田涼介
●最優秀脚本賞 足立紳『百円の恋』
●最優秀撮影賞 瀧本幹也『海街diary』
●最優秀照明賞 藤井稔恭『海街diary』
●最優秀美術賞 花谷秀文『海難1890』
●最優秀録音賞 松陰信彦『海難1890』
●最優秀編集賞 大関泰幸 『バクマン。』
●最優秀音楽賞 サカナクション『バクマン。』
●話題賞作品部門 『バクマン。』
●話題賞俳優部門ももいろクローバーZ
●最優秀外国作品賞 『アメリカン・スナイパー』
●最優秀アニメーション作品賞 『バケモノの子』
(取材・文:名鹿祥史)
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