「最初に見たときには、驚きましたよ。あのタモリが消費者金融のCMに出ているなんて。時代が変わった感じがしました」(芸能ライター)
ネットでも、今回のタモリのCM出演には、失望の声が多数見受けられた。世間的には、消費者金融のイメージがいまだに良くないことが浮き彫りになった格好だ。
しかし、現在、流れている消費者金融のCMには人気タレントがこぞって出演している。
レイクには山田優、プロミスには中川翔子、武富士には内田有紀、モビットには竹中直人と桃井かおり、アットローンには大塚寧々がそれぞれ起用されている。
「いままではグラドルか、かわいい動物くらいだったのですが、最近は人気タレントが顔をそろえている。アットローンは、大塚寧々の前は高橋克典だったし、以前から出演タレントのメジャー化は始まっていた」(テレビ誌編集者)
特にグラドルと消費者金融の組み合わせは定番となっていた。
「アコムのCMで小野真弓がブレークしたのは有名ですが、同社には熊田曜子も出ていました。安めぐみは三洋信販、安田美沙子はアイフル、井上和香はプロミス、夏川純はレイクなど、かなり多くのグラドルが出演していました」(芸能ライター)
それにしても、ここにきて出演タレントの格が上がってきた印象がある。その背景には何があるのか。
芸能評論家の肥留間正明氏はこう語る。
「消費者金融からは今までもオファーはずっとあったんです。しかし、タレントサイドは断ってきた。景気のいいころは、タレントとしてもイメージのいい清涼飲料などを優先させてきたんです。ところがこのご時世、企業が真っ先に削るのが広告費ですから、5000万円、3000万円といったギャラの出るCMがなくなってきた。芸能プロダクションも今後、倒産が相次ぐといわれるほどの経営難。そのため、受けるようになったんでしょう」
さらに、こんな見方もある。
「消費者金融は、これまではサラ金、街金というイメージでしたが、現在、多くの社がメガバンクの系列となっている。タレントサイドとしても、なるべく避けようという心理が働かなくなったともいえる」(芸能プロダクション関係者)
またタモリについては、こんな憶測も出ている。
「長年務めてきた『笑っていいとも』(フジテレビ系)の司会を降板するといううわさがこれまで何度も流れてきましたが、いよいよカウントダウンに入ったとみる向きもあります。今回のアコムのCMも含めて、今のうちに受けられる仕事は何でも受けておこうと考えているのでは、というのです」(芸能リポーター)
広告は時代を映す鏡ともいわれる。いずれせよ、タモリをはじめとした大物タレントが消費者金融のCMに出演し始めたことは、不景気な今の世の中を反映しているといえそうだ。