浅野さん(以後、浅)「桜井さんは乗馬をやってらっしゃいますが、それはパドックで役に立ちますか?」
桜井さん(以後、桜)「役立ちますね。馬のテンションを見るんですよ。例えば今日の第1レース。9番がチャカチャカしていたんですけど、テンションが高い状態だったんですよ。それで『9番がいいね』と言ってたんですが、マネージャーさんはそれをチャカチャカしてるだけととって、買わなかったんですよ。8番9番で決まったんですが、9番抜けで外してました(笑)」
浅「馬を見る時のポイントで、一番重視しているところはどこですか?」
桜「テンションと歩き方です。歩き方がぎこちなかったり、重かったり、馬場が良い状態じゃない時は良い方向に行かないので、そういったところを見たりします。あとは雨が降って渋っている時に、踏み込みがしっかりしてるかを聞いたりしています」
浅「気配、雰囲気はもちろんですが、足音というのも大事なんですか?」
桜「大事ですね。特に馬場が渋っている時はよく聞くようにしています」
浅「癖として音が鳴る馬もいますが、それが好調のバロメーターなこともあるんですかね」
桜「あと馬は、気合が乗っていると歩く音が変わるんですよ。ですから、よく知っている馬だと分かりやすいと思います。パドックで応援している馬の歩き方を見ていると、『今日は気合が入っているな』と分かるんです」
浅「南関東の競馬はほぼ毎日行われてますんで、なかなか追いかけ続けるのは難しいですよね。一見さんに『ここを見た方が良い』というアドバイスはありますか」
桜「馬を前から見た時の、脚と脚の間の幅です。幅が広いとスタミナがあるので、長距離レースの時にはここを見ています。あとは馬を横にした時の、前脚と後ろ脚の幅ですね。もちろん筋肉も見てますけど」
浅「筋肉までくると専門的な領域に入ってしまいますね(笑)。あとは馬のやる気が重要なんですね」
桜「やる気は大事だと思います」
浅「昨日は凄く冷たい雨が降っていたんで、今日の馬場は、乾きかけみたいな馬場ですよね。砂埃も多少上がってるので『まあ、乾いてるかな』という程度ですけど。馬に乗っていて、湿っている馬場と乾いてる馬場では、乗ってる感覚は変わるものですか」
桜「乗ってる感覚は全く違いますね。スピードの乗り方も違いますし。晴れてて馬場が乾いている状態の方がスピードが乗ります」
浅「逆に私は、馬場が硬めの、湿ってる方がいいのかなと思うんですが…」
桜「湿っている方がいいと言われてるんですが、私が乗っていた時は、乾いてた方がスピードが出ている感じがするんです」
浅「タイム的には湿っている方が出るんですけどね。感覚は別物なのかもしれませんね」
桜「私はそうでした。小学生の時に馬に乗って、そこで初めて、湿った時と晴れてる時の走りの違いを知ったのが印象に残ってるんです」
乗馬経験があり、かなりの的中率を誇る桜井聖良さんのアドバイスに、観客は皆聞き入っているようであった。
浅「桜井さんは最後までレースを見て行かれますよね」
桜「しっかり見て行きます。今日はありがとうございました」
(ちなみにこの日予想した船橋記念は予想的中しました!)
(梅季颯 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou