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プロ野球 動き出した監督人事 水面下の攻防(2)

 ライバルの阪神も同様のようだ。GM付育成&打撃コーディネーターの掛布雅之氏の周辺が騒がしくなっていたが、満場一致とはいかないという。
 「親会社の阪急阪神ホールディングスの中で、掛布氏の名前を出すのは阪急出身者で、阪神出身者はどちらかといえば、その意見に批判的です」(在阪記者)

 順当に考えれば、平田勝男二軍監督の昇格だろう。侍ジャパンU21の初代監督を兼任することがすでに決まっており“箔付け”もされた。1985年の優勝、初の日本一を経験したV戦士でもあり、金銭トラブルのあった掛布氏よりもイメージは良いはずだ。
 「人事のキーマンは中村勝広GM。掛布氏のチーム帰還の仕掛け人であり、編成権も握っていますからね」(同・記者)

 その中村GMだが、和田監督と意見が食い違う点が一つだけある。ベテラン福留孝介の処遇だ。
 2012年オフ、中村GMは福留の獲得には消極的だった。それを「どうしても!」と言って覆したのは和田監督である。今季も不振だが、「後半戦の成績次第では解雇もあり得る」(同)と、選手構成の考え方の違いがV逸のときに大きく影響すると懸念されている。

 こうして見ると、原、和田両監督は“優勝”しか延命の方法はなさそうだ。
 「渡辺会長はポスト原のことで王貞治ソフトバンク会長に相談する可能性もあります。そのホークスもこの戦力でV逸となれば、秋山監督の責任問題が問われることになるでしょう」(スポーツ紙記者)

 有力OBの1人に、小久保裕紀日本代表監督がいる。秋山幸二監督の弟分であり、有事の際は円満に引き継がれるはずだが、さすがに侍ジャパンの采配途中で帰還することは考えにくい。
 「広島の野村謙二郎監督が今季で退団するのなら、日本野球機構内での評判がいいので、代表監督の後任として名前が出てくるはず。しかし、秋山監督が小久保監督に入れ代わることはないでしょう」(球界関係者)

 小久保氏を代表監督に推したのは王貞治会長だという。将来に備えての勉強が目的であり、代表チームを指揮しながらその存在感を増していくだろう。

 一方、成績に関係なく退くと目されているのが、横浜DeNAの中畑清監督だ。5月、DeNAは殿堂入りした佐々木主浩氏を横浜スタジアムに招き、そのセレモニーを華々しく行った。山下大輔氏が副GM、打撃兼作戦担当としてベンチを仕切っているのも進藤達哉コーチであり、DeNAは旧ベイスターズ陣への回帰を始めている。
 「最下位を争っているヤクルトはOBを呼び戻せない状況に陥っています。宮本慎也氏は『3年は勉強したい』と語っているが、それまで小川淳司監督では持ちこたえられない。高津臣吾コーチもいるが、ケンカ別れした古田敦也氏の影がチラついています。小川監督は若手を育てていますが、『仏の小川サン』だからチームに緊張感がない…。内部昇格なら、真中満打撃コーチ。野村克則二軍バッテリーコーチも“アリ”です」(同・関係者)

 どうやら、古田氏が今オフのキーパーソンになりそうだ。知性派の古田氏はIT企業からの人気も高く、「ソフトバンクの孫さんが“ポスト秋山”として狙っている」との噂も漏れ伝わっている。
 「楽天の星野仙一監督は信頼する佐藤義則コーチが監督代行から下ろされた一件に不満を抱いています。事後報告だったことが許せなかったようで、また、このまま最下位で終わるようなら、三木谷浩史オーナーも“決断”するでしょう」(前出・ベテラン記者)

 大久保博元二軍監督が候補のようだが、楽天のフロントは外部招聘をいとわないので、こちらも古田氏が候補に加わってくる。
 「成績好調のオリックス森脇浩司監督も安泰とはいえません。優勝争いに常に加わるチームへの変貌として、田口壮氏らOBを招聘する可能性もあります。もちろん、その中には野茂英雄氏の名前もありますよ」(同)

 今オフは、監督人事がペナント以上に盛り上がりそうだ。

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