「外国から帰ってきて全然活躍せえへん人がいますな。株主総会に合わせたかのように二軍に落としましたが、問題は、その和田監督です。選手を信頼していると福留を出し続けてきましたが、それなら、ずっと出し続ければいい」
「メジャー凱旋選手などに頼らず、自前選手を育てるチーム作りをすべきだ!」
外部補強に頼らず、根気強く自前戦力を育てていく。そういったチームへの変革論が出るのも毎年のこと。南信男・球団社長も「まだペナントレースは、半分以上あります、これから夏場にかけて…」と、なだめるような答弁で濁した。
しかし阪神は、そう簡単に“育成型チーム”に変貌するつもりはない。株主総会から12日後の6月24日、レンジャーズなどでプレーしていた建山義紀投手(38)の獲得を発表。ちゃっかり水面下で動いていたのである。
「ヤンキースのマイナーでくすぶっているのなら」(関係者)という理由は、確かにわかりやすい。サイドハンドスローは現救援陣にはいないタイプだ。米独立リーグで投げている渡辺俊介に対しても、「諦めていない」(同)という。
「松坂大輔もどう動くかわかりません。米国で不本意な中継ぎを続けるか、日本で先発に復帰するか。左腕の和田毅もいますし、阪神は、まだまだメジャー組の調査を怠っていませんよ」(ベテラン記者)
チーム方針に批判が渦巻く中、投手のやりくりには開幕からずっと苦しんでいるだけに、松坂、和田の一方でも獲得できれば大きな戦力になる。いずれにせよ、ファンが納得する“勝利”という結果で応えることができればいいが。