師匠で父親の原貢氏(東海大系列野球部顧問)が今年7月に死去。甥の菅野智之投手が巨人のエースに成長したことで、しばし休養して充電したいと考えているというのだ。
「原監督はバランス感覚に長けており、長嶋茂雄氏の第2次政権期間9年と同じく、自身の第2次政権も9年目の今シーズンでの勇退が一つの潮目になると考えている。長嶋氏を上回ることを潔しとはしないということです。一種のダンディズムですね」(巨人OBの野球解説者)
読売新聞グループは、2020年東京五輪のメディアスポンサー獲得争奪戦に直面しており、その“読売の顔”を原監督に期待。ハードルは高いが、気運が高まりつつある五輪の野球復帰にも尽力してもらおうという戦略もあるようだ。
さて、巨人の新球団社長に就いた久保氏には、松井政権作りとともにもう一つの“大仕事”が託されているという。渡辺恒雄最高顧問が一度は「巨人の監督に」とエールを送ったイチローのケアである。
当初は、ポスト原監督はイチローが“ナベツネ構想”だったのだろうが、巨人OBであるゴジラに舵を切った以上、その目はない。そこで浮上しているのが、今季でヤンキースとの2年契約が満了するイチローの獲得だ。
「おそらく『松井監督、一番イチロー』が、ナベツネさんの最後の“巨人絵”なのだと思いますよ」(前出・関係者)
イチローは今年10月で41歳。6億5000万円を費やして契約しようというメジャー球団は、ゼロに等しいという。現に所属するヤンキースは8月に入り、イチローをウエーバーにかけ、トレード要員であることを公表した。
「普通、ウエーバー手続きは非公表で、各球団の担当者と本人及びエージェントにしか知らせない。それが今回、ヤ軍は意図的にリークし、マスコミが報じた。この奇怪な出来事の真意は日本の球団に知らせることにあったのです。『今なら、あのイチロー”を獲得できますよ、いかがですか』というわけです」(ニューヨークの取材記者)
イチローが日本球界に復帰する場合、オリックスが最優先の約束が存在するとの情報もあるが、今年6月に宮内義彦会長兼グループ最高責任者が経営トップから退任。今季、優勝を花道に球界撤退をするのではないかとの噂もあるオリックスだけに、巨人が手を挙げれば電撃入団の可能性は十分にある。
今年11月には『2014SUZUKI 日米野球』(主催日本野球機構、読売新聞社)が開催され、8年ぶりにメジャーリーグのトップ選手が来日する。話題が一気にメジャー一色となるだけに、松井氏とイチローから目が離せない。