社会部記者がこう語る。
「マスコミが注目する同事件はいまだ疑惑の域を出ていないが、発端は昨年12月に京都府向日市に住む林芳之さん(75・仮名)が自宅で倒れ、搬送先の病院で死亡したことから。司法解剖の結果、遺体から青酸化合物が検出され、京都府警が男性の妻・A(67)を今年1月に事情聴取したのです。さらにその後、この妻と接点のあった大阪府貝塚市に住む豊田郁夫さん(71・仮名)が、バイク事故('12年3月)により死亡していたことが判明したため、事件は新たな局面に突入。両府警が大騒ぎとなったのです」
この記者によれば、その後、大阪府警が保存されていた豊田さんの血液を鑑定。すると、そこからも青酸化合物が検出されたというのである。
捜査関係者が解説する。
「そのため、Aはその後も断続的に事情聴取を受けたが、本人は『青酸化合物など身に覚えがない』の一点張り。だが、彼女は亡くなった林さんと昨年10月に結婚したばかりで、その結婚も4度目だった。また、豊田さんとは死亡時までマンションで半同棲しており、結婚を約束していた可能性も濃厚なのです」
しかも、Aは豊田さんの生前に「マンションの所有権を譲る」との遺言書を受け取っていたといわれており、同氏が亡くなると即座にこれを売却。2000万円以上の利益を得ていたことが判明しているが、恐ろしいのはこれだけではない。
事件の延長線上には、さらなる不審死と莫大な遺産を手にしていたのだ。
在阪の夕刊紙記者が言う。
「実は、Aは'08年に大阪府松原市に住む77歳の男性と3度目の結婚をしているが、この男性も結婚後3カ月で突然死しているのです。この時は死因が疑われることはなかったが、近所では『2人が結婚していたことすら知らなかった』『通いのヘルパーだと思っていた』と話す者も少なくない。Aは男性が亡くなると、5反(1500坪)の農地を処分。これを含めた約1億5000万円の遺産を手にし、墓を立てると姿を消したという。一方、4番目の夫となった林さんの遺産も相続し、数千万円を手にしているのです」
また、別の捜査関係者はこう話す。
「Aの周辺では林さんや豊田さん、3番目の夫だけでなく、知人や深い関係にあったと見られる男性が次々と不審死している。その数はわかっているだけでも、大阪5人、兵庫3人、京都2人、奈良2人、和歌山1人、島根1人と計14人に上っているのです。そのため、京都・大阪両県警が本格的な捜査に乗り出しているのです」