これとは少し趣の異なるサブスクリプション(定額制)サービスが登場した。「クラウンは月9万円から」「プリウスは月4万6100円から」…。毎月の料金を払えば好きな車を借りられるトヨタ自動車の新サービス『KINTO』(キント)だ。
カローラスポーツ、アルファード、ヴェルファイアを加えた5車種が対象とのこと。1台に3年間乗り続けると、別の車に乗り換えができる。料金は保険や税金、メンテナンス費を含む。日産自動車も同様のサービスを1月から定額『クリックモビ』と名付け、トヨタの牙城である東海3県と静岡県で試行している。
このような毎月決まった額でモノやサービスを使える「サブスクリプション」のサービスは全国的に広がっている。自動車やファッション、音楽から喫茶にラーメンまでだ。モノを所有することにこだわらない消費者の心をつかめるとあって、さまざまな業種が参入してきている。
国内で定額制サービスが目立ち始めたのは2015年ごろだ。同年に有料動画配信の米ネットフリックスが日本に上陸。手頃な料金で注目され、スマートフォンの普及も市場の拡大を後押しした。
同年に始まった洋服レンタルの『エアークローゼット』には22万人超の会員がいる。月6800円と9800円のプランがあり、プロのスタイリストが選んだ3着の服が届く。エルメスやシャネルなどの高級ブランドバッグを月6800円で使える『ラクサス』も人気だ。
首都圏のラーメン店『野郎ラーメン』は17年に、月8600円で1日に3種類のラーメンから選択した1杯が食べられるサービスを始めた。通常、毎日食べると約2万5000円になるが、12杯で元が取れるとの触れ込みだ。とはいえ、ある“ラーメン党”は、「元を取る以上にもうけようとしてしまい、本当に毎日食べて胃もたれしてしまった」とも。
性風俗店の中には「1週間通い放題!」なんて定額制を実施する店があるとか。これもラーメンと同じように「元を取ろうとして…」の“悲劇”が起こるかも!?