「本人の意向もあるし、後半戦のチーム状況で変わってくる」(7月17日)
野村政権の最大の理解者であり、後ろ楯でもあったはずなのだが…。
野村カープは開幕ダッシュにも成功し、首位巨人を追撃中。確かに今季は1年契約で臨んでいるが、来季の契約は“白紙”だという。
チーム初のクライマックスシリーズ進出に成功した昨年のオフ、野村監督が「ケジメをつけたい」と退団を申し出て、松田オーナーが慰留した経緯は本誌既報通り。しかし、野村監督は周囲の期待に応えようとするあまり、昨季後半は体調を崩し、通院しながら指揮を続けていた。就任2年目の'11年オフにも連続5位の低迷に責任を感じ、やはり同オーナーに引責辞任を申し出ていた。
「松田オーナーが来季の話をあえてしなかったのは、野村監督の責任感の強い性格をわかっていたからでしょう」(担当記者)
前半戦を終了した時点での観客動員数は、広島が1試合平均観客数の前年比で12球団トップの22.4%増を記録した。日本中の“カープ女子”による期待の大きさは、野村監督が一番理解しているはずだ。
「現レギュラーは野村監督が育て上げたメンバーと言っても過言ではありません。でも、体調面の話をされたら、3度目の慰留は難しいでしょう」(同・記者)
野村イズムをさらに発展させようというなら、次期監督の最有力候補は筆頭参謀の緒方孝市・野手総合コーチということになる。今オフ、エースの前田健太がポスティングシステムでメジャーに挑戦するとなれば、投手陣の再整備は必須事項となり、北別府学氏、大野豊氏など、黄金期を知る投手OBも有力候補に挙げられるだろう。
「全国区になりつつある人気を意識するなら、日本代表監督を務めた山本浩二氏の再登板、あるいは中日の達川光男コーチあたりでしょう。衣笠祥雄氏は現オーナーとは不仲なので、呼ばれることはまずないと思いますね」(球界関係者)
野村監督はこの先、ラストスパートを掛けるタイミングを見計らっている。その結果が、来期以降のカープにも大きく影響することは間違いない。