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本誌記者リアルレポート 史上最低金利 新築マンション駆け込み購入の落とし穴(1)

 「今が住宅購入のラストチャンスです!」と、不動産業者があおりまくっている。
 震災直後に大幅に落ち込んだ消費マインドはどこへやら、さすがは熱しやすく冷めやすい日本人。リスクも何のそので、液状化被害が問題になった湾岸地域の高層マンションにさえ、再び注目しはじめている。
 「金利も低いし、消費税も上がるし…新築マンション買っちゃおうかな」
 夫婦共働き30代の本誌記者が、こんなふうに前ノメリになっているのもうなずける。

 マンション購入時には当然、消費税がかかる。土地部分の代金にはかからないが、仮に土地価格が3000万円、建物価格が2000万円のマンションがあるとすると、税率5%では分譲価格は3000万円+2000万円×1.05%=5100万円。これが8%では5160万円、10%では5200万円だ。
 「数千万円の買い物をしようとしているのに100万円増えたところで関係ない」と思うかもしれないが、ほとんどの人は住宅ローンを組む。“史上最低”がうたわれる今はそうでなくとも、ひとたび金利が上昇すれば、借入金100万円分がズシリと重くのしかかるのだ。

 というわけで「買っちゃおうかな」の本誌記者に、“実録!! 新築マンション駆け込み購入レポート”を厳命した。「良いきっかけだと思うので、購入を検討している読者に少しでも役立つような情報をお伝えします!」と張り切る記者の“購入奮戦記”である。

 何はともあれ、まずは物件選びから。新築マンションの一般広告ではわからない「どの部屋がいくらか」を知るために、実際に複数の販売業者へ資料請求することから始める。数日後、送られてきたパンフレットは、まさに豪華そのものだった。
 「こんなに広告費使うなら、その分を安くしろよ」と、思わずツッコミたくなる。どれを見ても、今すぐに住みたいと思ってしまうようなデキだが、よく見ると、小さい字で「これは完成後のイメージをCGで表したものです」とか、すばらしい景色の写真があっても「環境は変わる可能性があります」などと、将来的リスクに関する注意喚起がされている。仕上がりがきれいすぎて、よほど疑り深い人間でない限りその文字は目に入らないだろう。それどころか、そこにある世界観に自分の将来像を重ね、夢を膨らませてしまうのである。パンフレットはみな“営利目的の私企業”が作った“利益を上げるための道具”なのだが、なぜか自分のために作ってもらった気になるから不思議だ。

 さて、次は実際にモデルルーム見学に足を運んでみる。住宅の見学会といえばギフトカードのプレゼント。リーマンショック前ならば、行くだけで5000円分のお食事券などをもらえるケースが散見されたというが、さすがに今はそこまでのサービスはない。現在、最も多いのが「予約を取った上で来場すると、3000円分のギフトカードプレゼント」というもの。本気でマンション購入を考えているのであれば、1カ所しか見学に行かないということはあるまい。1カ所につき1〜2時間拘束されて説明を受けるのだが、10カ所行けば3万円で、マンション選びを兼ねてちょっとした小遣い稼ぎになる。
 アンケートと称して住所・電話番号を書かされるが、本人確認をされるわけでもなく、その物件が気に入らなければデタラメに書いたって構わない。電話番号を正直に書いたところで、確かに営業電話はかかってくるが、消費者庁を警戒してなのか、しつこく電話してくる業者はなかった。

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