しかし、敗因は歴然だ。「前々走(フェアリーS9着)は、直線で挟まれ全然競馬をしていないし、前走(クイーンC8着)も出遅れて、ただ回ってきただけだよ」と滝口厩務員は2戦とも力負けではないことを強調した。
この悪い流れは、元から断たないと変わらないと判断した陣営は、泣いて馬謖(ばしょく)を斬る思いで蛯名騎手とのコンビを解消。前走直後に岩田騎手に騎乗を依頼し、快諾を得た。
滝口厩務員は「能力はあるのは分かっているし、普通に走ってくればチャンスはあると思っている」と新たなパートナーを歓迎。起死回生の一発に意欲を燃やしている。
「ベゴニア賞を勝ったときは、ソエが痛かったけど、もう大丈夫。前2戦は、まともに競馬をしていないから、馬も傷んでいない。元気いっぱいだよ」
今回与えられた使命は最高で1着、最低でも3着。それを達成するため、最善を尽くして挑む。「金曜日(13日)に帯同馬のワールドコンパス(3歳未勝利)と阪神競馬場に入り、翌日はスクーリングをする手はずになっている」
そればかりではない。今回はちょっとした工夫も凝らす。
「気持ちが前向きで走りに集中しすぎるから、(気持ちをセーブするため)メンコを着けてきたが、今回は返し馬の前に外す」と秘密を打ち明けた。
外す理由は、初めての1400メートルを考慮してのこと。「メンコを外せばファイトして、前々で競馬ができるはずだからね」。陣営は退路を断って、この一戦に勝負をかけている。