厚生労働省や国立感染症研究所によると、全国の新型インフルエンザ感染のピークは昨年11月下旬とみられ、1週間で1医療機関当たりの平均患者数は39.63人だったが、今年1月下旬には9.03人と4分の1に減少した。昨年11〜12月には、ワクチン接種希望の問い合わせが殺到していたが、一般成人への接種が始まった今年1月下旬、接種希望者は激減。膨大な在庫を抱えた各自治体は、これ以上輸入ワクチンを出荷されても保存場所すら確保できないと困惑を隠せない。
そんな今回の新型インフルエンザのワクチン騒動は日本に限った事態ではない。欧州では、今回の世界保健機構(WHO)によるパンデミック(世界的大流行)は製薬会社との癒着の上に宣言された、との疑惑も浮上している。フランスやドイツ、イタリア、ノルウェー、ギリシャなどでは、ワクチン解約の動きも広がっている。
ただ、今後また患者数が増加に転じる可能性もあり、新型インフルエンザに対する危機管理は、個々が十分に注意する必要があることは言うまでもない。