コマ劇場を運営するコマ・スタジアムの発表によると、今年12月31日の公演が最後になる。娯楽が多様化する中、劇場まで歌や芝居を見るために足を運ぶ機会が減ったのがボディーブローのように効いた。
さまざまな対策を講じたものの入場客数の減少に歯止めがかからず業績低迷が続いた。資産売却で経営再建をはかり、今後はコマ劇場の土地を所有する東宝の支援を受けて再開発を進める。
東宝は、コマに隣接し映画館やボウリング場、飲食店が入る新宿東宝会館を年内で閉館する。老朽化した建物を取り壊して一帯を更地とし、跡地にはおしゃれな大型ショッピング施設が誕生する可能性が高い。
歌舞伎町では最近、裏DVDショップの一斉摘発が行われるなど浄化作戦は第2幕に突入。石原都知事の号令で始まった同作戦では違法営業する風俗店や不法滞在する外国人の検挙が続き、それまで歌舞伎町が持っていた“妖しい魅力”は消えつつある。
客がそうしたムードを嫌って街に寄り付かなくなったことから、まじめに商売している業者が店をたたむケースも少なくなかった。歌舞伎町のヘソであるコマ劇場がキレイめな大型施設に生まれ変われば、周囲の環境にも影響を与えそうだ。