“ニセ医師”は東京都港区にあった『メディクリニック南青山』の元事務長、澤部勝仁被告(47)。複数回にわたり、都内の38歳の男性の下半身に手術を施したという。
裁判を傍聴していたジャーナリスト・今井亮一氏が経緯を説明する。
「被告は高校中退後、金属加工の作業員などを経て医療関係の事務作業をするようになり、'07年に知人の医師が美容整形クリニックを始める事になったため、その事務を手伝うことになったのです。ところが翌年、医師が休みがちになり、穴埋めのためにアルバイトの医師を頼んでいたのですが、次第に人手不足に。そこで、アルバイトがいない時に被告が勝手に手術をしてしまった、ということのようです」
手術した人数は、40人から50人にのぼるとのこと。
「しかも、被害男性の下半身に施した手術は、陰茎へのシリコンボール挿入手術だったというから恐ろしい話。手術後しこりがあったため、正規の医師からの“修復手術”を受けたそうです」(同)
その“修復手術”を行った正規の医師によれば「被告は手術を素手で行い、縫合も雑」だったという。ちなみに被害男性は医療ミスに備えて、念のため密かに手術の様子をビデオ撮影していた。今回、それが証拠となっている。
また、ネットで『メディクリニック南青山』で検索をすると、口コミ掲示板がヒットし、そこには元患者と思われる人々のコメントがズラリ。
その中である男性は、「シリコンボールは抜けてしまい、穴が開いて閉じないまま保健所に相談した」と苦悩しており、また美容整形の一つである『金の糸』を施してもらったある女性は、「何の糸かわからなくて不安」と、これまた苦悩している。こちらの被害は本当か否かはわからないが、デリケートな部分の医者選びは慎重にしたいものだ。