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新重賞今昔物語 1999年AJCC・スペシャルウィーク

 真冬のなかでも一番寒い時季に行われるこのレース。しかも、暮れから開催が続く中山のターフは荒れていることも多い。故障の危険がつきまとうだけに、普通なら強い馬は無理したくないところだが、力勝負で決まる別定の2200メートルが魅力なのか、以前から勝ち馬には強豪が名を連ねている。

 1999年も偉大な名馬が勝ち名乗りを上げた。スペシャルウィークにとって、それは新たな快進撃の始まりだった。
 3歳時の98年もダービーを制して頂点を極めたが、秋は不完全燃焼が続いた。菊花賞でセイウンスカイの逃げを捕らえ切れず2着。続くジャパンCはエルコンドルパサーに力の違いをまざまざと見せつけられ3着と、ともに1番人気を裏切る形になった。
 そのせいもあったのだろう。天皇賞・春を目指すなら、前哨戦は阪神大賞典か大阪杯というのが一般的だが、陣営はあえて、その前に勢いをつけようというもくろみを立てた。

 鞍上はこれ一回きりのコンビとなった名手ペリエ。テイエムトップダン、サイレントハンターがつくる1000メートル通過63秒6の超スローペースをスペシャルウィークは4番手で流れに乗った。瞬発力比べは手慣れたもので、直線に入ると弾けるように伸び、サイレントハンターに3馬身差をつける完勝だった。
 続く阪神大賞典→春の天皇賞でメジロブライトを立て続けに撃破。古馬としても見事に頂点を極めた。さらに、秋には天皇賞→ジャパンCを連勝するなど、GI4勝という素晴らしい成績を収めた。ただ、なぜかグラスワンダーとの相性は悪く、宝塚記念と有馬記念はともに2着に敗れた。

 2000年から種牡馬に転向。サンデーサイレンスの後継として同系の種牡馬との激しいリーディング争いが続いているが、コンスタントに大物を輩出しており、05年にはシーザリオが日米オークスを制した。そして、今年のクラシックは2歳女王ブエナビスタ、牡馬はリーチザクラウンと大物がスタンバイ。当たり年になりそうな気配が漂っている。

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