「今回の汚職事件の捜査の本丸は、あくまで17年間の長期政権を築き、FIFAを私物化してきたブラッター会長なんです。焦点はどこまで遡って捜査が進められるか。2002年のW杯では韓国側がFIFA幹部に賄賂をバラ撒いて共催にこぎつけたのは有名な話です。米国は確実な線を潰したい。韓国ルートも内偵中だが、今回のCONMEBOLルートは、まさに宝の山だと見ているんです」(社会部記者)
この爆弾発言を行ったA氏の新証言と、さらに彼が保有しているという書類が白日の下に晒され、日本サッカー協会を特定する何かが出てきたら、それこそ大問題になるのは確実だ。
「今回、伏魔殿といわれたFIFAの汚職問題を担当するのは、アフリカ系アメリカ人として初めて女性司法長官に任命されたロレッタ・リンチ氏。ハーバード大法科大学院卒のリンチ長官は、国際的な金融犯罪に実績を持つ超切れ者なんですよ」(同)
来るべきXデーに怯え、日本サッカー協会存続の危機に晒される中、最後の切り札として意外な人物の名前が挙がっているという。
政治生命を賭して訴えた大阪都構想が住民投票で否決され、政界引退を明言した『大阪維新の会』代表の橋下徹大阪市長だ。なんと同協会は、次期Jリーグチェアマンとして橋下氏を招聘する極秘プランを立てているという。
「このままだと、いずれ米&スイス当局は'02年日韓共催W杯招致に伴う“巨額マネー=裏金”にたどり着く。恐らく何らかの問題は浮上するでしょう。そうなれば現幹部の数人、もしくは大半が退陣という事態も想定されるんです」(スポーツライター)
日本サッカー協会が橋下氏擁立を急ぐ事情がもう一つある。一連の汚職問題で2018年にロシア、'22年にカタールで開催されるW杯の開催国選定にも不正があった可能性が指摘されているからだ。
「もし疑惑の対象となっている'22年大会の開催地が白紙になった場合、日本での代替開催案が浮上する可能性が出てきた。不正疑惑で再投票が行われた場合、日本は立候補して、新しい国立競技場を徹底PRする作戦です」(スポーツ紙サッカー担当記者)
そんな時に必要とされるのが政財界に有力なパイプを持ち、かつカリスマ性を誇る指導者だ。
「橋下氏なら何ら問題がない。仮に裏金問題でサッカー協会関係者が処分され世間のバッシングを浴びても、弁護士資格を持っている橋下氏がコンプライアンス面に対応すればいいんです」(サッカー協会関係者)
また、橋下氏は日本サッカー協会の新たなスポークスマンとしても、うってつけの人材である。
「Jリーグチェアマンは'94年以降、上位組織である日本サッカー協会の副会長も兼任し、絶大な発言力を有している。弁護士、人気タレント、大阪府知事、大阪市長…これだけのキャリアを持ち、しかも弁が立つ。説得力が違うんです。持ち前の過激発言と政治姿勢から“ハシズム”なる造語まで飛び出したスター性もある。橋下氏が指導者としてトップに君臨すれば何の不安もありません」(同)
もっとも、橋下氏を巡ってはすでに政界やテレビ界が争奪戦を繰り広げている。
「安倍晋三総理は憲法改正のブレーンとしてなんとしても次期参院選に担ぎ出したいところ。まだあきらめていない」(永田町関係者)
テレビ界では、日本テレビが他局に先んじて交渉を進めているという。
「一つが『ミヤネ屋』のコメンテーターです。司会の宮根誠司の頼みとあって、どうしても一度は話を聞かなければならない雰囲気になっている。もう一つが古巣の『行列のできる法律相談所』です」(番組制作関係者)
政界、テレビ界、スポーツ界…。オファーが殺到中の橋下氏だが、Jリーグチェアマンにはガ然関心を持っているようだ。
「タレント活動への障害はない。実は、日本サッカー協会は政財界と密接な関係にあるんです。また、これまで橋下氏が弱いとされていた外交面の人脈も飛躍的にアップする。正直、現段階では断る理由は何も見つからない」(サッカー協会関係者)
橋下氏の動向に注目だ。