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【世界のナイトスポット】本家よりも幻想的? ラオスの凱旋門に舞う黒い影

 ラオスの首都ビエンチャン。地方都市や小さな村などラオスの辺境を見てきた筆者にとって、その発展ぶりは感動すら覚えるほどだった。ビエンチャンを少し離れれば、そこからは永遠に続く山間部、これが本当に果てしなき道。ほとんど文明の行き届いていないような地域もあり、川には裸で行水を行う女性の姿もある。もちろん水遊びをしているのではなく、お風呂に入っているのだ。

 とは言っても、ビエンチャンは他の国と比べてしまうとかなり小さな首都だ。多くのガイドブックや旅行記を見ると、「首都とは思えない程閑散とした街」と称されることが多い。日本で言えばその街並み、人の多さ、規模からすると茨城県のつくば市がピッタリという感じ。隣国タイは東北の地方都市、コンケーンやウドンタニなどよりも小さいのではないか。

 そして高層ビルなどもないため、街の中心部に建つ凱旋門はかなり目立つ。東京なら埋もれてしまいそうなこの門も、ここでは立派なランドマークとして成り立っている。タイとの国境にあるビエンチャン、まさしくラオスへの入り口だ。

 正式名称はアヌサーワリーパトゥーサイ。内戦終了を記念して1962年より建設が始まり、今もなお未完成らしい。パリの凱旋門を模して建設され、見た目はエトワール凱旋門にかなり近い。目の前のラーンサーン通りもシャンゼリゼ通りのように真っすぐに伸びている。

 しかし他に交わる大通りはなく、門を中心とした放射線状の形は見られない。門をくぐり天井を見上げれば、そこには無数の象や神々の彫刻が輝いており、まるで仏教寺院に来たかのようだ。内部にはマーケットがあり、街を一望できる展望台が開かれる昼間は家族連れなどで賑やかだが、夜になるとライトアップも施されロマンチックな雰囲気へと変わる。

 移動販売のアイスクリームを食べながら天井を見上げると、そこには昼間は見られなかったコウモリ達が集まっていた。より一層輝きを増した凱旋門の大空間に、コウモリが「キャキャキャッ」と笑いながら宙を舞う姿は、まことに幻想的な光景であった。

國友俊介

【プロフィール】
國友俊介 (くにとも・しゅんすけ)
旅×格闘技、アジアを自転車で旅をしながら各地のジムを渡り歩いている。目標は世界遺産を見ることではなくあくまで強い男になること。日本では異性愛者でありながら新宿2丁目での勤務経験を持つ。他にも国内の様々なディープスポットに潜入している。ブログ http://onkunion.blog.fc2.com/

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