しかし、協会の“本命”は他にいた。昨年12月に引退した“カリスマ”澤穂希(37)だ。
「協会は'23年の女子W杯開催国として立候補する予定ですが、五輪に出場できない状況下ではPR活動も大々的にできない。協会が変えたいのはチーム状況だけではありませんからね」(専門誌記者)
一方の澤は引退会見でも「そういう気持ちになったら…」と言葉を濁し、しばらくはノンビリしたいという心の内を覗かせ監督業に興味を示していなかった。しかし、なでしこの五輪不出場が決まった3月7日の試合後、「強いなでしこに戻るよう何か携われることがあれば」と一転、前向きな発言をしている。
「3月末から日本サッカー協会新会長に就く田嶋幸三氏も、澤を指して『なでしこに関わってもらいたい』とコメントしています」(前出・記者)
協会の希望は、やはり澤擁立と見て間違いないが、スポーツ紙記者はこう言う。
「監督タイプは宮間あや。彼女はプレーについて理論で説明できる。澤はどちらかと言えば直感で動く天才肌。指導者向きではないのですが…」(TV局員)
それでも、W杯開催国として海外にもアピールをし、かつ今の停滞ムードを一掃できるのは、やはりカリスマの存在なのだろう。
「もっとも、澤はまだ監督ライセンスを取得していない。監督になるためにはC級ライセンス取得からスタートし、その後、B級へと進みA級ジェネラルまで1年が掛かります。その2年後にようやく、代表監督になれるS級の養成講習会が受けられるのです」(前出・記者)
ただし、澤は国際Aマッチ20試合以上の出場歴があるため、A級ジェネラル取得後、1年でS級講習会を受けられる。
「澤をチーム帯同のアドバイザーに就け、2年後に代表監督というシナリオでしょう」(前出・記者)
澤の今後でいえば昨年末、今夏の参院選へ向けての自民党からの出馬要請を辞退していたことも判明。いよいよ監督待望論が高まりそうだ。